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＊メルト＊
「おっ。何やメルト、こんな所で」
聞き覚えのある関西弁に顔を上げると「よっ」と片手を上げたナダが居た。
「……実は……」
＿＿＿＿数時間前、メルトはういとAの会話を聞いてしまった。
「メルトが自分のことを好きか不安？」
「うん。何か、あんまり進展が無くて」
「うーん……そっかあ……」
というわけで。どうすれば彼女の不安を解消できるのか悩んでいたのである。
「なるほどな。メルト、お前がAのことを大事に思ってるんはわかるが……少し大事にしすぎてるんとちゃうか」
「大事にしすぎ……？」
「男ならガツンと行動に移さなあかん時もあるっちゅーことや」
少し考える素振りを見せて、メルトは再びナダに向き直った。
「手なら繋いだことはある」
「ばっ……いくつやお前！！」
呆れも通り越したナダは「ええか、よく聞け！」とメルトを一喝し、女心の何たるか＿＿あくまで彼の主観である＿＿を滾々と吹き込み始めたのだった。
「しっかりせえよ、愛想尽かされても知らんで」
「あ、ああ……ありがとう」
「ほなな」
さて、あれこれ言われたわけだが。
「そんな急に、逆に変に思われないか？」
新しい不安を抱えながら帰路を進んでいると、道の向こう側で何やら揉めている。というか、2、3人の男が1人の女性をナンパしているようだ。
「いーじゃん、ね？」
「彼氏いるんで、失礼します」
「少し遊ぶくらい彼氏も気にしないって！」
その女性の顔が見えた瞬間、メルトは駆け出した。運良く信号の変わった横断歩道を渡って、彼女の手を引く。背中越しに男たちが喚いているのが聞こえたが、勿論無視だ。
離れた公園に着くと、メルトはAのことを強く抱きしめた。
「大丈夫か？怖かっただろ」
「メルトが来てくれたから、大丈夫」
微かに震えた声が彼女の強がりを教えた。
強がりで、何でも我慢してしまうAだからこそ、不安な思いなどさせてはいけないとメルトは改めて思う。
「……不安な思いをさせて、悪かった」
「……え、もしかして聞いてたの？」
「盗み聞きするつもりじゃなかったんだが……」
「気にしなくて良かったのに。メルトが私を大事にしてくれてることくらいわかってるよ」
「それに今、すごく自然に抱きしめてくれた」と嬉しそうにするA。
「あまり甘やかすと……調子に乗るぞ」
そう言ったメルトは、彼女の頬にそっと手を添えるのだった。
＊＊＊
FTL全公演中止……
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ゆのみ(プロフ) - 蒼空さん» 遅くなってすみませんでした！そう言っていただけて安心しました……(泣) (2021年2月25日 23時) (
レス) id: 20ed7c05bd (このIDを非表示/違反報告)
蒼空(プロフ) - リクエスト答えていただきありがとうございました！いやもう最高です……！表現がおしゃれだし神がかってて本当にキュンキュンします…。 (2021年2月25日 22時) (レス) id: 9ca5b9580d (このIDを非表示/違反報告)
ゆのみ(プロフ) - しゃんはいさん» こちらこそありがとうございました！そんな褒め方されたら泣きます(T_T)これからもよろしくお願いします！ (2021年1月12日 15時) (レス) id: 20ed7c05bd (このIDを非表示/違反報告)
しゃんはい(プロフ) - リクエストに答えてくださってありがとうございました！ゆのみさんのお話はリアルさの中にあるきゅんという感じですごく大好きです！！ (2021年1月12日 8時) (レス) id: 4db072daa3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆのみ(プロフ) - さくらさん» 初めまして。少しお待たせしてしまうかもしれませんが、ぜひ書かせていただきます！ありがとうございます！ (2021年1月9日 23時) (レス) id: 20ed7c05bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆのみ | 作成日時：2019年12月29日 0時
