(39)まるで別人のような ページ43
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遅れて中へと入った立原は驚愕していた。
「…あれ、本当にAさんか…？」
「失礼なことを言うな」
Aが幼い頃から見知っている広津にとっては今更の事のようだが、立原はこんなAを見るのは初めてなのだ。
「お嬢ちゃんみたいな若い子が、何故こんな所に？」
『内緒でお父様に着いて来ましたの。楽しそうだったから…秘密にして下さる？』
「そうなのか。勿論だよ、楽しい夜を過ごそう」
『ありがとう。貴方も楽しんで』
そう言ってニコリと上品に笑う姿は何時ものAからは考えられないものであった。
Aの皮を被った別人ではないかと疑う程だ。
笑いかけられた男は顔を赤く染めている。
無論、酒のせいだけではないだろう。
「姫君、一口いかがです？」
『あら、姫君なんて柄じゃないのよ？頂くわ、ありがとう』
焦がしキャラメルの香りがするチョコレートを差し出す若い男性は、この組織の次期当主である。
では先程Aにスノードロップを渡したのは誰かと云うと、其れは次男だ。
『とても美味しいわね。何処のブランドでして？』
「フランス産です。其のドレス、良くお似合いですね」
『そんなに褒めても何も出なくてよ？貴方も素敵な燕尾服を御召ですわね』
「貴女のような女性にそう言われると照れますね」
次々と男を虜にしていくAを見て、立原はまた一つ畏敬の念を抱くのであった。
当の本人はというと、標的の御曹司と仲睦まじく話を続けている。
『四つ下の弟君も、貴方に似て美男でしたわ』
「弟に会ったのですか？」
『ええ。此処へ来て一番に顔を合わせましたの。素敵なお花もプレゼントしてくださったわ』
「礼儀正しくしていたようで安心しました」
『素敵な兄弟ね』
この笑顔の裏にポートマフィアの幹部代理が居ることを此処にいる誰が想定していただろうか。
少なくとも、花を見るような目でAを見ていた男達にはそんな考えは微塵も無かっただろう。
此処にいる、男達には。
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ヤマダノオロチ(プロフ) - ありがとうございます！目指せシックスパックです← 更新頑張ります！ (2016年8月7日 19時) (
レス) id: b2832ff97e (このIDを非表示/違反報告)
桔梗 - 『氏ね』の一言を遠回しに言ってる、その内容で爆笑して腹筋が痛いです(これで割れるかな←) 訳：面白いです。これからも頑張ってください。 (2016年8月7日 17時) (レス) id: b2f7131e28 (このIDを非表示/違反報告)
ヤマダノオロチ(プロフ) - 雪凛 さん» はじめまして！コメントありがとうございます。共感してくださって嬉しいです(笑)頑張ります！ (2016年6月9日 17時) (レス) id: b2832ff97e (このIDを非表示/違反報告)
雪凛 - はじめまして！中也いいですよねぇ！かっこいいですよねぇ！もう、いろいろやばい…←とてもおもしろいです！これからも、頑張ってください！ (2016年6月9日 16時) (レス) id: ca0edcb47b (このIDを非表示/違反報告)
ヤマダノオロチ(プロフ) - わたがしちゃんさん» 同士様ですか…！ありがとうございます。頑張ります！ (2016年6月5日 22時) (レス) id: b2832ff97e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヤマダノオロチ | 作成日時：2016年6月1日 0時
