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飲もう ページ1
武家の生まれである兵衞次郎と松千代丸は幼い頃から共に学び、共に遊び、共に競い合う良き仲であった。
いつも通り、仕事である帳簿付けを終えた松千代丸は城から出ようとすると、城門のそばに見覚えのある姿があった。
「奉公ご苦労様ですなあ。」
へらへらとしながら此方をみるのは兵衞次郎。
「皮肉か。なんのようだ。何をしにここまで来やがった。」
「いやいや、ちょいと久しぶりに一杯どうかと思ってね。」
くいっと手を徳利のように口に傾けながら笑った。
松千代丸は呆れたようにため息をついた。だが心なしかその表情は嬉しそうにも見える。
「ーーったく、仕方ねえ。付き合うとするか。」
「おっとそうこなくっちゃなあ。」
二人は夏になって少し薄暗い道を歩いて行った。
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作者名：カワセミ | 作成日時：2019年7月13日 22時
