【SERVAMP】私には姉御と呼んでくる舎弟、ではなく後輩がいる。

相談・２２ ページ23

「ごめんね、コウちゃん。城田くん、遅くなって……？」

「えーと、城田が針で指刺したみたいでさ」

「大丈夫!? あっ……私、絆創膏持ってるから取ってくるね！」

「鈴原さん、これくらい大丈夫だって……って、行っちゃったな……」



戻ってきたと思えば、すぐに走り去ったスズ。城田は何処か気まずそうに目を逸らしてくる。スズが城田を好きな事は相談されていたものの、城田がスズを好きだと思っている事まではどう考えても私には想像のつかなかったことだった。

疎い私も流石に分かること、……二人は所謂、両想いって奴なんだろう。



「えっと、その……コウ？ さっきの事は……」

「城田。とにかく、何にも悩むことは無いと思うよ。」

「えっ……？」

「いやだから、上手く言えないんだけどさ。スズの事、心配しなくてもいいよ、多分」



城田はいい奴で、スズはいい子だ。いい人の基準はそれぞれ人によってどうあっても偏る物なんだろうけど、少なくとも私にとって。正直、恋愛とか誰かに恋をするだとか、私にはよく分からなくて変に足を突っ込んで引っ掻き回すだけになるんじゃないかと思ったことも何度もある。

でも、城田みたいなシンプルで真っ直ぐな奴に言えることなら分かる。



「とにかく、城田は城田のやりたい事に真っ直ぐで居ればいいと思うよ。あんたに悩んだり、うだうだ考えたりするのは凄く似合わないし。」



そんな城田だから、スズは好きになったんだろうと思うし。思ったことを、私も単純明快シンプルに城田に言った。城田は、おう、とだけ言ってはにかむように笑う。伝えられたか、私に知ることは出来ないけど、ああきっと伝わったって直感が言った気がした。



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