相談・１２ ページ13
「相手の好みというのは知っておいて損はない。好みを知らねばアプローチも出来んからの！」
「相手の好み、か。そう言われればそうなのかも」
思わず納得してしまった。最近の子供は凄い、なんてまた少し年寄りくさい事を思ってしまうくらい。私では絶対に出てこない発想だ。確かに好きな物を貰うのは、嫌いな物を貰うよりも断然嬉しいだろう。
ヒューは木陰になっている花壇の縁に立ち、教師のように教えてくれる。鉄は聞いているのかいないのか、解っているのかいないのか、ああ、多分分かってないんじゃないかな。だって鉄だし。
「まずは実践じゃ！ 恋する娘へのアドバイスならば、Aもせめて気持ちを理解せねばならん！ さ、鉄もやってみせるのじゃ！」
「お？ おう、……Aの姉御の好きな食べ物はなんだ？」
「あえて言うなら味噌汁。」
悶々とヒュー、……恋愛マスターからの言葉を噛み砕き消化していく。確かにスズ(恋する女の子)の気持ちを理解できていない私が、アドバイスなんてのはおこがましい話だ。恋なんてものは微塵も理解できないが、どういう気持になるかくらいは知っておいたほうがいいはず。
鉄の質問に私は即答した。特に食に好き嫌いはないけど、味噌汁なんかは作る人によって味が全然違うから個性が見えて楽しいし美味しいから好きだ。違和感を感じて、ん？ と首を傾げる。
「っていうか、これ寧ろ逆じゃない？ これじゃ私がしろ……マーくんの気持ちを疑似体験してるような気になるんだけど。」
「嫌いなのは特にねーけど、好きな食べもんは昆布茶と焼きまんじゅうだな」
「我が輩は鉄の血が好きじゃぞっ！ あっ、あとぱふぇも大好きなのじゃ！」
なんのアピール大会だ。まだ聞いてないし、あと鉄はチョイスが渋すぎて色々と参考になってない。ヒューは今度、お礼にファミレスでパフェでも食べさせてあげようかな。オレンジジュースも好きそうだったし……、ああこういうことか。好きな物を聞ければ喜ばせられるかもと思えるってことかな。
「流石、恋愛マスター」
「！ う、うむ。我が輩は恋愛マスターじゃからな！」
Aはふっ、と零すように笑った。子供を褒めるように自然に頭を撫でようとして、ヒューの頭に帽子があることに気づきAは手を宙に彷徨わせたが、ヒューは自ら帽子を外す。照れたように笑うヒューを見てこんな従兄弟がいて羨ましいと、隣にいる鉄を見てAは思った。
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ななえ - 面白かったです！！このかんじ大好きですぅ！！そしてヒューがかわいい！！原作とちがった面白さがあっていい！！ (2015年12月26日 7時) (
レス) id: 42f6409a50 (このIDを非表示/違反報告)
怠惰 - 鉄が割と好き何ですがなかなか鉄がメインの小説がなくて…｡この作品は夢主ちゃんもいいですし鉄が何よりかっこよくていいと思います!!更新頑張って下さい!! (2015年8月8日 14時) (レス) id: bc679fe01c (このIDを非表示/違反報告)
Haltsu(プロフ) - 鉄くんが割とメインな作品って珍しいなーと思いました！個人的に夢主ちゃんの性格ドストライクです(*ﾟ∀ﾟ*)これからも頑張ってください！！更新楽しみにしてます！ (2015年7月31日 18時) (レス) id: ebc51c24b4 (このIDを非表示/違反報告)
ねこのふくろう(プロフ) - とても面白い作品ですね！早速お気に入りに入れてしまいました♪更新楽しみにしてます！僕(女です)も最近SERVAMPで吊戯の作品を作り始めたのですが……お互いゆっくり更新頑張りましょうね☆〜馴れ馴れしくてすみません…ｱﾊﾊ (2015年5月18日 2時) (レス) id: 04b47cc298 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀 - とても面白かったです！あまり無理はせずに更新頑張って下さい、楽しみにして待ってます♪( ´▽｀) (2015年5月17日 11時) (レス) id: 7dd9b77a5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：山鳥口十 | 作成日時：2015年5月17日 11時
