相談・１１ ページ12
「あー……えっと……？ 吸血鬼？」
「……へえ、吸血鬼。」
一応、ヒューと鉄の関係について疑問を投げかけてみれば、首を傾げるように鉄は言った。とりあえず、頷いて返しておいた。勿論、吸血鬼なんてもの私は信じてない。けどさっきのヒューの自己紹介を聞く限りはそういう設定なのだと、ヒューは従兄弟かなんかだと思うことにした。
「Aの姉御、安心してくれ。ヒューも恋愛相談に乗ってくれるらしいぜ」
「うむ。これからは我が輩もAの恋愛相談に乗ってやるのじゃ。我が輩の事は恋愛マスターと呼ぶがよいぞ！」
「ああ、ええと……ありがとう？」
どうしてそうなった。そんなツッコミは意味を成さない、千駄ヶ谷鉄。この後輩には何を言ったってダメだ、自分がそうと思って決めた意志は岩石のように重く、何を言い返しても首を傾げるだけ。そこまで予想できる、正直もう慣れだ。
恋愛マスター、ね。最近の子供はませてるなあ、なんて少し年寄りくさいことを思う、いや私の妹もそういう話の食付きは凄いし、案外そういうもので……私が少しズレてるだけなのかもしれない。とりあえず、ありがとう、と言えば鉄もヒューも心なしか嬉しそうに見えた。
「じゃあ、よろしく。恋愛相談とか、一番苦手分野で困ってたんだ」
「数々の恋愛相談にのってきた我が輩に死角はない！ さあ、この恋愛マスターに話してみるのじゃ！」
「話……、私の友達のSちゃんがM男を好きでどうしたらいいかって相談。」
「……もっと他の言い回しはないかの、」
イニシャルから取ったつもりが、確かに性癖の意味で聞こえる気がする。……それをヒュー(子供)が知ってるのかは不明だけど。私は少し悩んだ後で、スズの事をスーちゃん、城田の事をマーくん、というように例えを変えた。
「私の友達のスーちゃんがマーくんっていうクラスメイトを好きでどうしたらしいかって相談。」
「それで？」
「？ ……それでって？」
「……その、マーくんの好みの食べ物や異性のタイプなども何も聞いておらぬのか？」
「そういうのって必要なわけ？」
鉄に視線を向ければ、何を話しているかも分かっていないように、「おう、……そうだな？」と明らかに疑問符のついた言葉が返ってきただけだった。城田の好きな女の子のタイプ？ そんなの聞く必要あるのか？ と真剣に悩み首をかしげれば、ヒューに「何を言っておるのじゃ！」と頭を抱えられた。……え、何それ難しい。
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ななえ - 面白かったです！！このかんじ大好きですぅ！！そしてヒューがかわいい！！原作とちがった面白さがあっていい！！ (2015年12月26日 7時) (
レス) id: 42f6409a50 (このIDを非表示/違反報告)
怠惰 - 鉄が割と好き何ですがなかなか鉄がメインの小説がなくて…｡この作品は夢主ちゃんもいいですし鉄が何よりかっこよくていいと思います!!更新頑張って下さい!! (2015年8月8日 14時) (レス) id: bc679fe01c (このIDを非表示/違反報告)
Haltsu(プロフ) - 鉄くんが割とメインな作品って珍しいなーと思いました！個人的に夢主ちゃんの性格ドストライクです(*ﾟ∀ﾟ*)これからも頑張ってください！！更新楽しみにしてます！ (2015年7月31日 18時) (レス) id: ebc51c24b4 (このIDを非表示/違反報告)
ねこのふくろう(プロフ) - とても面白い作品ですね！早速お気に入りに入れてしまいました♪更新楽しみにしてます！僕(女です)も最近SERVAMPで吊戯の作品を作り始めたのですが……お互いゆっくり更新頑張りましょうね☆〜馴れ馴れしくてすみません…ｱﾊﾊ (2015年5月18日 2時) (レス) id: 04b47cc298 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀 - とても面白かったです！あまり無理はせずに更新頑張って下さい、楽しみにして待ってます♪( ´▽｀) (2015年5月17日 11時) (レス) id: 7dd9b77a5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：山鳥口十 | 作成日時：2015年5月17日 11時
