【SERVAMP】神隠少女はにこにこ笑う

その三七、 ページ38

「戻ってそうそう人探しを頼んで悪かったね、ヒガン」

「たはは、礼には及ばないさ。椿の頼み事だからね」

「ありがとう」



ヒガンはAの方を見た。Aは散歩禁止を言い渡され拗ねている様子でベルキアとテレビを見ている。椿はダッツを食べながら、自分でも気づかぬうちにAを目で追っているようだった。ヒガンはうん？と少し考えるように椿を見た。

真祖と主人というつながりは良くは分からないが、椿がAをあれほど必死になって探したのはどう考えてもただ主人だからという理由だけではなかっただろう。



「よっぽどAちゃんが好きなんだね」



特に深い意味はなく、ヒガンはそう呟いて笑う。ヒガンのつぶやきを聞き、椿は食べていたダッツを落としそうになりながら、ヒガンの方を向いて真顔になった。



「…………え？」

「うん？違ったかい？」



言葉をゆっくりと理解していくように、椿は何かを考えながら押し黙った。



「これは絶っっ対左だよォ〜！」

「私は右だと思うんだけどなあ」



ヒガンはAを見るがこちらの話は全く聞こえていないようでベルキアとクイズ番組で遊んでいる。Aはテレビを見ながら、苺味のダッツを食べている。



ヒガンは、いやあ〜これは……と、悩んでいる椿を見て何となく事情を察したように苦笑を零した。

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