君よりも、俺のほうが2 (yt×ym) (ページ44)

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Yuri

健人が僕に気持ちを伝えてきたのは、僕が19歳になったばかりの時だ。つまり、2年前。

健｢俺、知念くんが好きなんです。絶対大切にするから俺と付き合ってください｣

びっくりした。後輩から急に告白されて。でも…

侑｢…ごめん、僕、好きな人がいるから｣

ゆーてぃーと涼介の交際に気付いていながらも、まだゆーてぃーへの恋心を拗らせていたあの時。

叶わないってもちろん分かってるけど、でもどうしても諦められなかった。

健｢…裕翔くんですか？｣

侑｢えっ…｣

健｢裕翔くんが好きなんですよね、知念くん｣

侑｢な、なんで…、僕、その話は誰にも…っ｣

健｢分かりますよ。好きな人の好きな人くらい。知念くんを好きになって、すぐに気付いた｣

切なそうに笑いながら、健人は僕を見た。

健｢…俺じゃ、知念くんを幸せにできませんか？｣

真剣なその目に、今まで自分の奥底で蓋を閉めていた感情が一気に溢れ出した。

侑｢な、んでっ、…ぼく、ぼくの方が先に…っ、ゆーてぃーがすきだったのに…っ、りょ、すけがすきなくせに…っぼくのこと可愛いって、そんなこと言われたら、いつまでもっ、…ぅぅ、けんとのこと、好きになれたらいいのに…っ、！…ぇ｣

いい歳して後輩の前で大泣きし始めた僕を、健人は優しく抱きしめてくれた。

健｢知念くんは優しいですね｣

侑｢ぐす、…、へ…？｣

健｢…ずっと見てたから。知念くんが裕翔くんを見てることも、でも裕翔くんが山田くんを見てることも、全部知ってた。だけど知念くんは、それを知ってても2人といつも通りに接してて｣

さらに抱きしめられて、頭を撫でられる。

健｢あー、俺の好きな人は強いなって。優しいんだなって。自分の気持ち押し込んで見守っててさ。…俺は、知念くんのそういう所も好きなんだよ｣

侑｢け、んと…、｣

健｢今はまだ裕翔くんを好きなままでいい。俺を見てくれなくても、付き合ってくれなくてもいい。でも…俺の前では我慢しないで？俺にだけは弱いところ見せて？…俺はずっと好きだから｣

あの時から健人は、変わらず僕を見てくれてる。