幼 馴 染 み は あ い ど る 。 (Ryosuke.Y)

#046 ページ46

ryosuke side





莉緒が足を止めたのは



使われなくなったスタジオの中








先ほどのスタジオとはひとつ階が違うだけなのに



まったく人気がない。








莉「ねえ涼くん、

何でこんな所に連れてきたか分かる？」








涼「それはこの間の話しの続きを…」









莉「ううん、それはもういいの。

涼くんは自然と私の所へ戻ってくるんだもん♪」








にっこりと浮かべる微笑みに背筋が凍った。








涼「は…？なに言って…」








莉「じゃーん！これ何だかわかる？」








鞄から取り出したのは一枚の写真








莉「分かるよね？」









見間違えるはずがない、








俺と…Aの写真…








あの時だ、Aの手を引いて家まで歩いた時、









涼「なっ、おまえ何でこれ、」








莉「この子、涼くんの好きな子でしょ？」








莉緒の目はもう笑っていない









莉「今すぐこの女と関わるのやめて」





涼「は？」





莉「じゃないと、この写真ネットにバラまくよ？」









『ネット』



それは週刊誌に撮られるよりも



ずっと恐れていること。









週刊誌ならば一般人のAは



間違いなく顔を隠してもらえる。









だけどネットとなれば、そうはいかない。



全て発信者の思い通りに晒され、拡散される。









涼「ふざけんなよ、」









俺もAもはっきりと顔が写っているこの写真。



一歩出回れば、Aがどうなってしまうかなんて



容易に想像できた。









莉「あれ〜？そんなこと言っていいの？」









大好きで大切なファンの子達が



時には俺達の恐怖になってしまうことも



身をもって経験してきた。









そんな想いをAにはしてほしくない。








ましてや自分のせいで…









どうすれば、、









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