愛されすぎて困ってます

前のもの ページ21

｢祐希〜｣






大きい背中を揺らしながら問いかける









｢んー｣







ずっと前から家に帰ってくるや否やソファでずっと寝てる祐希に話しかける




さっきパッ、って起きてそこからあやふやに返事し始めた





｢いい加減退いてよぅ｣








｢眠いーーー｣






とかいいながら全然退いてくれない






いや別に布団で寝ろとか言ってないよ？







さっきまで私はフローリングの上の夏用のカーペットに座ってテレビを見ていたんだけど






それでは結構体制がキツイ、大分キツイ、




という訳で祐希にちょっとだけ退いてもらってそこに座ろう、という考え







でも思ってたより深い眠りについていたのかなかなか機嫌が悪い








｢いゃ｣




｢えぇぇぇえ｣







ぷい、と私から背を向ける







くそう、






もう諦めて座ってテレビを見ていると







ぐいっと腕を引かれて







｢来る？｣






腕を広げてまだ眠たそうな目で私を見る






｢私落ちちゃうよ｣






｢支えきれないかも｣






｢はいもう嫌だ｣



｢嘘だって大丈夫、ほら｣






そう言ってソファに私を誘導しようとする









｢ほら、もう早く｣







ぎゅっ、と支えられてテレビを見る








“支えられないかも”っと言ってたくせに首元に回っている腕は何倍もたくましくて









((バカ祐希))

((腕離すよ？))

((やめてください...))

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