不良の妹はやっぱり不良でして【坂田銀八】 (ページ6)

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６話ページ6

今まで２年間一回も袖を通した事がなかった皺１つない制服に身を包んで、いつもは軽く結んでいるだけの髪もしっかりとかして下ろして

そんな自分を見て

『俺ってアホだな...』

なんて呟いた

まさに売り言葉に買い言葉
着ていく、そう言った昨日の自分を恨んだ

約束を違えて今まで通り男用の制服で行ったって良いのだがあの男に制服姿を見て貰いたいだなんて思った俺は末期なんだろう

いつもの通りの時間にいつも通り学校へ行く
違うのは格好だけでそれだけでも落ち着かない

昇降口で上履きに履き替えて一直線に屋上へと足を向ける

授業が始まったのだろう、グラウンドから集団走の掛け声が聞こえる

そんな声を聞きながらAは眠りに落ちた

目を覚ましたのは昼休みで昨日と同じく一人の男の声だった

「おい高杉兄弟！
お前ら授業出ろ！！」

「アレ？
...お前、誰でぃ」

一人の男が疑問を投げ掛ける
どうやらAの変身っぷりに気付いていないようだ

「高杉兄弟、知らないか？」

なんて近藤も同じ様に目の前の女の子に声を掛ける

『出ていくのを見ましたよ？
昼休み丁度に来たのでそれ以上は分かりませんが』

「本当か」

なんて瞳孔開ききった目で見られたが

『本当です』

なんて答えるしかなかった

「...そうか、邪魔したな」

なんて言って３人は屋上から出て行った