不良の妹はやっぱり不良でして【坂田銀八】 (ページ5)

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５話ページ5

Aが漸く眠りから覚めたのはもう放課後のことだった

軽く伸びをして教材の１つも筆記用具の１つも入っていない、今では枕となって少し草臥れた鞄を持ち上げた

階段を下りていると前から階段を上がってくる人を見付ける

「高杉じゃねーか」

なんて声をかけられ、その人物が誰かを確認したAは

『......』

当然のように無視した

「挨拶ぐらいしろやコノヤロー」

『チッ...
さーせん、兄貴のことだと思ったもので』

「絶対分かってたろ
今舌打ちしたろ」

『さーせん』

「言い訳しろ、言い訳」

「......それよりも、まだそんなカッコしてんのか、お前」

思い出したかのように突然そんな話を切り出した

『そんな、とは？』

「お前も一応女なんだから可愛いカッコでもしてみろ、つってんの」

『一応は余計です、一応は』

「制服だって女モン持ってんだろ」

『無視かよ...
持ってますけど？』

「ちゃんと着てこい、つか明日着てこい」

『明日！！？』

「おう、期日決めねぇと着てこねーだろ
ちゃんと着てるか見に行くから」

『分かりました、着ます
ただセンセーからは逃げます』

「そーかい、じゃまた明日」

『...じゃあ、これで』