Memories (ページ36)

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阿部side

渡辺がまたやる気を出してくれて安心した。

夏休み初日から毎日頑張ってる。

「じゃあ今日はここやってみよっか？
とりあえず1～10まで解いてみて。」

A「はい！」

ちゃんと解けてる。

A「ここの数式がちょっとわからなくて」

窓から入ってくる風に渡辺の髪がなびいて
シャンプーの良い香りが漂う。

クラっとするほど好きな香りだった。

「あ、ごめんごめん…
えーっと、ここは、まずこれを代入して…」

このまま抱きしめられたら…
なんてね。

「よし、そろそろ12時になるし今日はここまでにしよっか。夏休みの課題もちゃんとやってる？」

A「もちろんです」

「えらいな。たまには息抜きもね」

A「はい。あっ、明日は夏祭り行きますよ」

「そっか～もうそんな時期か」

A「毎年行ってるんです。1年生の時先生に助けてもらいましたよね。」

「懐かしい。あの時ホント焦った。」

A「私も…凄い怖かったです。
でも先生が居てくれてほんとに助かりました」

「今年も気をつけて。ちゃんと明るい所でね」

A「はい…笑。気をつけます」

「ま、俺も巡回指導行くんだけどね～」

A「じゃあまた会えるかもしれませんね」

そんな可愛い顔で
そんな事言うなよ。