肆拾陸ノ型 ページ47
貴女side
『この子は?』
「無限列車で出会った。結核だそうだ。
帰るところがなさそうだったから連れてきた。」
白魔に紹介されてペコリとお辞儀をした少女
「初めまして、雪慧と申します。中国から来日しました。
先ほどご紹介いただいた通り、私は結核を患っており、こちらに置いていただいても、何の利益ももたらしません」
そんな少女から早口で発せられた言葉は、見た目とは似ても似つかない内容だった
『こんにちは、来栖Aです。これからよろしくね。
早速なんだけど、雪慧が得意なことって何かあるかしら』
雪慧は、首をこてんと傾けたあと、一応薬の調合はできますが、、、と言葉を濁して、俯いた
『ごめんなさい、言葉が足りていなかったわね。
貴女がここで生活する代わりに、何か手伝ってほしいなと思って聞いたの。
薬の調合なら丁度いいわ!この屋敷の角っこに研究室があるから、そこでできるわ
あ、結核に関しては心配しなくていいからね!私が以前調合した薬がまだ残っているから、それで症状が軽くなる…「あのっ!」…、どうしたの?』
「あの、どうしてAさんは、そんなに私にしてくださるのですか…。
薬の調合なんてそんな複雑なものができるわけじゃないですし、結核の薬もまだ使わなきゃいけない人がたくさんいるんじゃないですか。
…何より、私は赤の他人ですよ」
そう言った少女はズズッと鼻をすすった
私は、まだ痛む左足を庇うようにしてベッドから降りると、雪慧と同じ目線に膝を曲げた
『雪慧。顔を上げて頂戴。
赤の他人…そんな悲しいことを言わないで。
雪慧は私たちと一緒に鬼と戦って、破れた私の着物まで縫ってくれた。そうでしょう』
私が見た先には、破れたはずの袖口が綺麗に縫い合わせられた着物
こくんと首を縦に振って、こちらを見る雪慧の目には涙が溜まっていた
『だからね、雪慧はもう私の家族なの。
血は繋がっていなくとも、私の大事な人。つまりは家族。
家族を助けて何が可笑しいのかしら』
少し口を開けて放心状態だった雪慧だったが、その後堰を切ったようにわんわんと泣き始めた
そんな雪慧を私は抱きしめた。強く強く
何だか、昔の私を見ているようで、どうしても放っておくのはできなかったのだ
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雪慧
真正面メーカー2さんで作らせていただきました
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コットンキャンディー(プロフ) - 尊いさん» そう言っていただき嬉しいです…!! もう少し更新頻度あげられるように頑張ります☆°。⋆⸜(* ॑꒳ ॑* )⸝ (2022年3月29日 10時) (レス) id: 8d4bff6e85 (このIDを非表示/違反報告)
尊い - 続きが速く見たいです (2022年3月27日 10時) (レス) @page38 id: 730adcd2c0 (このIDを非表示/違反報告)
コットンキャンディー(プロフ) - tototmeさん» コメントありがとうございます! はい!遊郭編も書く予定です^^ まだ内容はそこまで詰められていませんが…(><) そう言って頂けると、とても励みになります! (2022年2月5日 23時) (レス) id: a6943b1018 (このIDを非表示/違反報告)
tototme(プロフ) - 今TVで放送している遊郭編も書きますか?コットンキャンディーさんの小説は面白いですから、書いて欲しいです。更新頑張ってください。 (2022年2月5日 20時) (レス) id: 1650f18dfa (このIDを非表示/違反報告)
コットンキャンディー(プロフ) - senaさん» ご指摘ありがとうございます、オリジナルフラグのことを理解していなかったので、助かりました! (2022年1月23日 13時) (レス) id: a6943b1018 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:コットンキャンディー | 作成日時:2022年1月21日 21時