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家のすぐの道路に出たら、
『大貴の割に早いじゃん。』
大貴「割にってなんだよ。てか、普通最初におはよだろ。」
『あぁ、おはよー。』
大貴「ん、おはよ。環境委員、はやいねぇ。」
『大貴だって早いじゃん。』
このお兄ちゃんぶってる彼は、有岡大貴。
一つ上の先輩だけど、先輩じゃない先輩。((
大貴「部活の鍵持ってるからさ。当番なんだよね。」
『へー。』
大貴「なによ。聞いといて。」
『別にー?』
この人さ、結構面倒くさいの。
幼なじみなだけあって付き合いは長く、性格は飽きる程知っている。
大貴「そういえば、知念でしょ。もうひとりの環境委員って。」
『うん。知り合い?』
大貴「あー、山田繋がりでね。知念が環境委員かぁー。」
『なに?』
大貴「いや、前は…、」
いいかけたその時、
?「大貴」
大貴「お!知念じゃん!」
「…と、A。」
『おお、おはよ。』
なんか、私、付け加えた感があるが…。
「あ、そういう関係?」
『いやいや、ただの幼なじみ。』
大貴「そうだよ。なに知念、しっ」
「大貴黙って」
大貴「ごめんごめん!」
じゃ、と言ってそそくさと学校へ向かう大貴。
『ね。さっきの“しっ”ってなに。』
「世の中には知らない方がいいこともあるんだよ、A。」
前髪を人差し指で払う仕草をする知念くん。
…クセ、なのかな?
「なにガン見してんの。」
『!ぬっ。』
小さな体の男っぽい手で私のほっぺをムニュっと。
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作者名:さくら | 作成日時:2018年12月28日 16時