【w.r.w.r.d!】転生しました�Α擲悒僖蹇�

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chino side

……みんな、知っているんだ
その何かを



「俺は反対したんやけど……こんな荒療治なんて」


兄さんは椅子に腰を下ろして、机の上の紅茶をかき混ぜながら俺を見る
あまりこの人と個人で話したことは無い、そのせいか少し緊張している自分がいて


シャオさんが俺の背中を叩き「安心し…無理にとは言わへんよ」と笑いかけたが、何が何だかわからない


「…チーノは、Aの事好きか？」


真面目な顔で問いかけられた質問
けしてふざけた質問ではなく、運命の分かれ道のようなそんな感じがした


俯いて考える

好きか嫌いか
そんなんじゃない…恋愛感情なんかじゃない
それよりも、もっと大切で


なんでこんなに守りたくなるのか
Aさんといると、泣きたくなる

その理由さえ、俺にはわからない




「…好きですよ…あの人の事。大切なんです…でも、なんでか…わからんのや…頭がおかしくなる。あの笑顔を見ると、消えてしまいそうな気がして、普通に会話がしたいだけなのに、突き放してしまう自分も、全部…っ……」




絞り出すように出した言葉が、静かな空間に響き

俯いた俺の頭の上から「全部、知る覚悟がある？」とひとらんさんの声がして

その方へ顔を向けると、扉の前に立つひとらんさんがいた



マスクの上から見えた目が、どこか辛そうで



知る覚悟が俺にはあるのか、それさえもわからない

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