【w.r.w.r.d!】転生しました�Α擲悒僖蹇�

279 ページ29

ゾムとの鬼ごっこが本格的になり始めた
目が合う度、いや
彼が私を見つけた途端始まるその遊びは、長くて30分


おかげでゆっくり生活は出来ないし周りの視線も痛い



一つ幸いなことと言えば、ゾムの親衛隊はあまり私自体に興味がないようで
呼び出しされたことはあったが、ほとんど事情聴取のみ

平和解決



「おや、Aちゃん」
『エーミール、隠れさせて』
「今週3回目やんな……ええですよ」



微笑んだエーミールに私は頭を下げる

ゾムが私を追い掛けて図書室に飛び込んで来たところを、エーミールが下手くそな嘘をつきつつ撒いてくれて

いなくなったのを確認して私はほっと息を着いた



『ごめんねエーミール』
「ふふ、ゾムさんは相変わらずAちゃんと遊びたがるんやな」

『遊び……まぁ、そうかも』



ゾムの難しいポイントは、言葉にしてこないところ
行動で表してくるせいだろうか

エーミールと話をしながら、匿ってもらったお礼に返却された本を元に戻す手伝いをする
彼との会話は相変わらず心が落ち着く

癒しだよ
セラピー



「Aさーん！」



バンっと開けられた扉
ゾムかと思い心臓が飛び出そうになったが、犯人はチーノ

心臓は出なかったが、持っていた本は全て見事に下に落下して、エーミールが慌てて近づいてくる




「だ、大丈夫です？お怪我は……」
『大丈夫、いやむしろ本が…』

「2人がここにおるって聞いたから！」




人懐っこい笑顔で私とエーミールに寄ってきたチーノが「見て下さいこれ！」と紙を広げた

280→←278

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す