32 Daiki side ページ32
大貴side
Aは、俺を見て、なんだって？って言いたそう…
大貴「もう、来ないし電話もしてこないと思うよ」
A「ありがと、大ちゃん」
小さい声でそれを伝え、また俺にピトッとくっついた。
A「ねえ、大ちゃん････今日は、ずっとそばにいて欲しい」
大貴「え‥。いいの？････泊まる････って事だよね」
俺の腕の中で、顔を見せずに、首を縦に振った。
恥ずかしがってるんだな。
可愛い。
Aはそのままの姿勢で
A「でも、男の人泊めた事ないから。何もないんだけど」
やばい。
やばすぎる。
いやいや、変な事は考えてませんよ！
そっちのやばいじゃなくてね。
男の人泊めた事ないって、23歳なのに？ホントなの？
最初が俺って事？
すんげー、嬉しいんだけど。
そういう事は、しませんよ！
Aが求めてきたら、仕方なくしちゃうかもだけど。
今の俺は、そばにいられるだけで、ただそれだけでいいんだ。
A「ねえ、大ちゃん？聞いてる？」
大貴「あ？え？聞いてなかった、何？何？」
A「何か、ニヤニヤしてるけど」
大貴「いや、そんな事ねえよ。で？何？」
A「大ちゃんちと違って、男の子の物ないから、必要なものある？あ、お風呂って、もう入った？」
大貴「ちょと、待て待て待て。何か、余計な事言ったよな。俺んちだって、今は、ねえぞ」
A「この前まであったって事？」
大貴「うるせー、知らねーわ」
Aは「ばかばかばか」って言いながら、両手で俺をパシパシ叩いた。
大貴「Aちゃん、やっと笑ったね」
やっと笑顔になったのに、変顔をするA。
そういうのも、可愛いの…知らないんだな。
ソファーからピョンッと立ち上がり、こっちを見て、夕飯は食べたのか聞かれた。
大貴「食べてねーけど。誰かさんに、大至急来るように言われたから」
わざと意地悪を言ってみたら、
A「ごめんなさい････ちょっと待ってて」
冷蔵庫を開けて、色々物色して。
扉をしめながら、「野菜炒め」しか出来ないと言うけど。
コンビニ弁当を食べようと思ってた俺には、超ごちそうだわ。
テレビのリモコンを渡され、ごゆっくりと言われたので。
ソファーに横たわって、テレビを見るふりして、キッチンに立つ、Aの後ろ姿を見ていた。
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作者名：やまぱん
| 作成日時：2016年10月4日 17時
