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あれから2週間。何事もなかったから退院できることになった。結局、カテーテルについては誰も聞けんかった。まぁどうせ後で分かるやろって。
藤原「あ、大吾、これ詰めてくれへん？」
あの時、白石先生に見せてもらったパック。
西畑「…おん。」
藤原「俺、やることにした。」
西畑「え、そうなん？」
藤原「おん。でも、迷惑かけるからとかやなくて、俺が楽やから。もう色々感じなくなって、これから先ずっと一緒に行くのも難しくなる時が来るかもしれんって。そしたら、俺が嫌で。パックなら目視確認出来るし。そう言う理由やねん。」
なんか、嬉しい。丈くんが自分第一に考えてくれたってのが大きい。
西畑「そうなんやね。あ、これ入れちゃうな？」
パックや管は見えないように車イスに取り付けて、荷物は持ってきたリュックに入るだけ入れて。藍沢先生の退院前の最終診察を待つ。
藤原「ごめんな。」
西畑「何がよ？」
藤原「俺、こんなんで。」
西畑「何言うてんの。丈くんらしくないやん。」
藤原「…そうよな。」
西畑「でもな、弱音は吐いてほしい。難しいかもしらんけど、俺らは待ってるで？」
コンコン、ガラッ
藍沢「もう終わってますか？」
西畑「あ、はい。」
藍沢「じゃあ、これ退院証明書です。受付で出してください。少しだけ診ますね。ちょっと冷やっとしますよ。」
先生の肩に掛けられていた黒くてカッコいい聴診器が丈くんの胸に当てられる。
西畑「冷たい？」
藤原「いや？そんなに。」
んー、ってことはもう上半身も時間の問題やな。
藍沢「吸ってください。……はい、吐いて。」
また聴診器を肩に掛けて、俺らに向き直った。
藍沢「特に何もないので、このまま退院で。次は…2週間後で。」
この日、と言われてスケジュールを見たら空いてる人居るからOK。丈くんもオフやね。
藤原「ありがとうございました。」
病院を出て、俺の車にまず荷物を詰めて。そんで丈くんを助手席に乗せて、車イスを折り畳んで、俺は運転席に。
西畑「シートベルトした？」
藤原「おん。」
西畑「じゃあ、帰るで。」
それから、白石先生がちょっと抜けてたり、藍沢先生の眠そうな顔を見たとか、藤川先生が冴島さんに叱られてるのを見たとか。正直どうでもいい話をしてたら家に到着。
ガチャ
藤原「ただいま〜。」
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作者名：おずんぼ | 作成日時：2022年8月29日 11時
