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大橋side
西畑「なー、この漫画むっちゃおもろいねん。」
大ちゃんが俺にしつこく話しかけてきて、いつ丈くんとのことを聞かれるんかと頭はいっぱい。
西畑「俺これ買ってくるけど、はっすん何か買うものある？」
大橋「え、あ、うん、ない。」
分かりやすく聞いてないの丸出しの俺に苦笑いしながら大ちゃんはレジに向かった。
西畑「もうそればっかやろうから聞くわ。丈くんと何があったんよ。」
大橋「告白された。でも、怖くて…。丈くんに遅いって言って断っちゃってん。」
西畑「遅い？」
大橋「咄嗟に、出た言葉やけど。もし丈くんが面白半分で俺に告白してたら？俺だけが本気ってなっちゃうやん。初めて同性に好かれて好きになったような気になってるだけかもしらん。」
西畑「そんなこと…。」
大橋「無いって言い切れる？」
西畑「それは、そうやけど。」
大橋「もう、まだ1回だけでも、もう恋愛で傷つくのは嫌や。丈くんやって俺なんかから好かれるのも嫌やろ。」
西畑「逆にそれこと言い切れるん？」
大橋「…言い切れん。」
西畑「丈くんは絶対本気で好きやよ。ふざけてそうやってはっすんのこと傷つける人？」
大橋「そう思いたくないんや。俺の中で丈くんはいい人止まりで居て欲しい。大ちゃんやって、りゅちぇがもしかしたら傷つける人かもしれないって話が回ってきたら？拒否したくなるやろ。」
西畑「確かにそれは嫌やで。でもな、そんなの本人しか分からんのよ。そうやって逃げ続けたら一生幸せなんて掴めないし、自ら逃がすだけやで。」
いつもは静かに俺の話を聞く大ちゃんが珍しく感情的で、俺なんかの為にこんなに必死になってくれてるっていう嬉しさと、そんなことに時間を割かないで欲しいっていう感情とが入り交じる。
西畑「結果どうするのかははっすんにしか分からんけど、俺は少なくとも断言せえへんで。」
謙杜に叫ばれて、闇から抜け出せそうな気がして、目の前にあった細い光に縋り付くように手を伸ばせば。
大橋「丈くん。」
藤原「ん？」
大橋「俺もずっと丈くんの隣に居るから。離れへんで。」
目の前にはもう幸せしかない。大好きな人の隣に居れて、幸せな空間で過ごせる。
藤原「ふふ、俺はもう大橋のや。」
大橋「じゃあ俺は丈くんの！」
誰もいない理科室で2人、隣り合わせで幸せな未来を頭の中で思い描く。
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作者名：おずんぼ | 作成日時：2023年9月16日 19時
