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大橋side
謙杜、と言うべきか、サッカー部には多分丈くんが関わってる気がする。
大橋「なぁ丈くん。」
藤原「なに？」
大橋「サッカー部のこと、あれ丈くんが先生にでも言うたん？」
藤原「んまぁな。偶然生徒会の先輩と話す機会があって、そこで話してみた。」
大橋「なるほどなぁ。」
藤原「でも、なんで？」
大橋「いや、謙杜も知らんことを他の人が知ってるかな？ってどこかで話してそうやって例の先輩に伝わってもまずいやん。」
藤原「そやなぁ。」
大橋「丈くん、やっぱ行動力すごいな。」
藤原「そんなことないで。」
俺に褒められたからか、耳がほんのり赤く染まってるのを見て俺まで少しドキッとした。
何も無い男友達に褒められただけで耳赤くなるくらい照れるもんなんか？
大橋「なに、照れてんの？」
藤原「は、はぁ？照れてへんし！」
慌てて耳を髪で隠そうとしたから、手首を咄嗟に掴んで、耳元に口を寄せた。
大橋「可愛いで？」
離れて、少しして俺がどんなことをやってしまったのかを気づいた。
大橋「え、あ、そういうことやなくて。」
もう顔まで真っ赤になっとるからこれ下手に突っ込まない方がええな。
初めて、沈黙の帰り道になった。
大橋「大ちゃん聞いてよぉ。」
(西畑「何やねん。」)
丈くんに色々誤解させてしまった、と言えば驚いてる。
(西畑「いや、勘違いもなにも、あんた丈くんのこと好きやん。」)
大橋「へ？」
(西畑「自覚無しなんか。」)
大橋「どこ？え、どこから？」
(西畑「んとね、めっちゃ目で追ってるやろ？んですぐ視界に入るようにしてるし、近づいてくる女子しれっと遠ざけてるし、まだあるけど。」)
大橋「うん、もう十分。」
(西畑「丈くんもはっすんのこと気にはなってると思うけど？」)
大橋「でも、ノンケとゲイは違うから。」
俺は、ノンケを好きになりたくなかった。あの時、絶対振り向いてくれないっていうのが分かって、そしてバラされて。だったらマッチングでも、って思って年齢偽って登録したばかり。
(西畑「そうよな。俺が言えることやないよな。」)
大橋「ごめん。」
(西畑「ええよ。けど、一つだけ言わせて？例え丈くんに恋愛感情を伝えても、丈くんははっすんから離れるわけないし、むしろ知ろうとする人やと思うで。」)
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作者名：おずんぼ | 作成日時：2023年9月16日 19時
