夏休み後半(自覚) ページ10
修学旅行から1週間。
勉強漬けの毎日。
自分が望んだ事でもあるから、何とも言えない。
必須科目を勉強し続ける中で、やっぱり高橋さんは自分より早くに理解して、終わっていった。
教科も半分しか受けてないから、段々会えなくなってしまうような気がして、嫌だった。
そして、ようやくこの気持ちに違和感を感じた。
もう、始業式が見え始めた頃だった。
8月の終わり、いつも通り講習を受けて、休み時間。
なんとなく、本能的に「恋愛的な好き とは」と調べた。
分かってはいた。
こんな感情は始めてだし、これは多分恋だ、と。
案の定、検索結果と同じだった。
でも、自然と受け入れていた。
やっと分かった、という感じに。
というより、まだよく分かっていなかったのもあるかもしれない。
例えだけど、
梅雨の期間、ずっと頭が痛かった。気のせいとか思ってたけど、病院にためしに言ってみたら偏頭痛だった。持病が出てしまったけど、分かって良かった。
そんな感じかもしれない。
自分の気持ちの違和感に気づけた。
そしてそれはある意味持っていてもおかしくなかったということ。
持たなくても良かったこと。
更に、これからが壮絶だということ。
それだけが分かったこと。
アホだったのも大きいが。
理解が追い付いたのは、学校が始まってからだったと思う。
夏休み期間は、まあ言う人いないしいっか、って感じ。
だから、夏休み中で良かったとも言える。
学校が始まってからだったらヤバかったかもしれない。
言えずにもがいて、苦しんで。
塾で分かったから、そのままオープンチャットに入った。
簡単には挨拶は済ませた。
これからどうしようと思った、ムンムンと湿気が漂う夏の夜だった。
それからというもの、その事を考える度に腹痛がするようになった。
誰にもバレないということは、誰にもカミングアウトできないってこと。
それをすっかり忘れていた。
お陰で、FreeWi-Fiを使ったものだ。
近くのセブンイレブン、ありがとう。
そんなこと言ってるけど、正直どうすればいいのか分からなかった。
これから、カミングアウトして生活するのか、せずにひっそりとやっていくのか。
高橋さんに言うのか、言わないのか。
家族には？友達には？
分からないまま、夏休みは終わってしまった。
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作者名：おずんぼ | 作成日時：2022年1月3日 20時
