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2学期、始業式 ページ11

若干だが、夏休み気分が抜けない教室。


始業式は放送で。


これもコロナのせい。


体育館で全校生徒が集まるなんて、いつからやってないんだろうな。


話を聞いてないのはどちらでもなんだけど。


担任の先生からこれからについて話があった。


学校説明会などに出向くこと、早めに進路は決めておくこと。


自分はやっぱり、TK高校に行きたいと思っている。


それは、高橋さんもだった。


夏期講習で偏差値が上がった彼女は、行けるような域に達した。


自分はまだまだ。


勉強が必要だと、模試の結果が言っている。


そんなん、出来たらやっとるわ!とツッコミつつ、ギリギリにまで追われないと出来ない自分に落胆する。


いつもそうだ。


テストでも、提出物でも。


提出物なんか特に、小学生の頃から変わらない。


宿題とか、ノートとか、ワークとか。


ギリギリにやろうとして間に合わなくて、間に合っても机の上に置いちゃって忘れる。


今年こそは変えようと思ってたのに。


1つ変化があっただけでダメになった。


そんな自分がまた嫌いになる。


そんな感覚で過ごした1週間は過酷だった。


自分には隠し事があるって思ったら苦しかった。


今までなんともなかった生活が、いつしか自分殺しの凶器になっていた。


気づけば授業は再開していた。


そして、1学期よりも高橋さんとは一緒に帰る頻度は上がっていった。


そんな時、塾に正式に通うことになったと言われた。


とりあえず受験まで。


言われたときは嬉しかった。


また会える。


どうせ学校でも会えるんだろうけど、頻度と時間が増える。


これが恋だって自覚してからはそうやって喜ぶ自分を制そうとした。


少し前に、高橋さんからラインが来たときにめちゃくちゃ喜んじゃって。


妹に「好きなの?」と聞かれてしまった。


「友達としてね」と濁しておいたが、これからそんなことが増えるって思ったら怖くなった。


バレちゃった方が楽なんだろうけど、やっぱり家族から気持ち悪がられるかもしれないことが1番怖い。


それは今も変わらない。


この頃なら尚更。


誰にもカミングアウトしたことがなかったから。


しようかなって心のどこかで思ってたくらい。


そんな感じだった。


めちゃくちゃ怖かったから。


世間にまた受け入れられてないって分かってたから。


自分は腐女子だったら違ったけど。

2学期、前半→←夏休み後半(自覚)



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作者名:おずんぼ | 作成日時:2022年1月3日 20時

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