3 ページ19
・
「そうだ、あの後俺、あの女子から告白されてさぁ」
そんな櫻井の思いも知らず、のんびりした口調で相葉は話し始める。
「いやー、好きって言われるのって思った以上に嬉しいもんなんだね！」
「……」
「あの子結構可愛かったし」
「…そ、それで」
「ん？」
「付き合うことにしたのか」
「んー…ふふ、」
密やかな笑い声の後に、少しの沈黙。不安になった櫻井が思わず体を起こすと、それを待っていたかのように相葉が抱きついてきた。
「断ったよ。だって、そんなことよりも具合悪いって帰ってった翔ちゃんの方が気になっちゃって」
「……」
「嬉しい？ 俺が翔ちゃん優先したこと」
「はっ？ 何言っちゃってんの？ てか、何もったいないことしてんだよ。お前のこと好きになってくれる女子なんて、これから何人いるか分かんないんだぞ」
「…そうだね。あー、ＯＫしときゃよかったかなー」
「うわっ」
思い切り体重をかけて寄りかかってきた相葉を支えきれず、櫻井は相葉に押し倒されるような形で後ろに倒れた。
「お前重い…早くどけよ！」
「んー、何か眠くなってきちゃった…翔ちゃんベッド半分こしよ？」
「許可する前に入ってくるんじゃねえよ！ あっこの、布団もってくなよさみぃ！」
「こうやってくっついてたら…すぐあったかく、なるから……だいじょう……」
「え？ もう寝たの？ はえー」
ものの数秒で寝息を立て始めた相葉に、櫻井は小さく笑った。笑って、そして初めて、自分がひどくほっとしていることに気がつく。
・
・
…お前の言うとおりだばかやろう。お前が俺を優先してくれて、すごく嬉しかった。さっきはあんなこと言っちゃったけど、多分お前はモテるだろうから、その気になれば彼女なんていつでも作れるだろう。でも、俺は結構寂しがりやなんだ。だからまだ、お前のことは離してあげられない。ごめんな。
「…誕生日おめでとう、雅紀」
相葉の頭を撫でてそう言うと、櫻井も後を追うように眠りに落ちた。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 840人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
唯 - 優子さん» ありがとうございます。いつもにまして難産なお話になりそうです…気長に続きをお待ちください。 (2016年3月9日 3時) (
レス) id: 0f485288ef (このIDを非表示/違反報告)
優子 - 読みました。これからどうなるか気になります。 (2016年3月2日 18時) (レス) id: 059e629431 (このIDを非表示/違反報告)
唯 - 優子さん» ありがとうございます。プロポーズは大野さんが仕掛けるだろうと思われます。 (2016年2月28日 20時) (レス) id: 0f485288ef (このIDを非表示/違反報告)
優子 - 読みました。智君の先生姿格好良いですね♪翔君可愛いですね♪プロポーズは智君から格好良く言うて欲しいですね♪ (2016年1月25日 23時) (レス) id: 059e629431 (このIDを非表示/違反報告)
唯 - 優子さん» ありがとうございます。ギャップ王子な大野さんでした。翔くんは可愛い上に押しに弱いので、大野さんお気の毒です。 (2016年1月25日 20時) (レス) id: 0f485288ef (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：唯 | 作成日時：2015年7月19日 23時
