指輪 ページ41
リヴァイside
俺とAは今、ウォールシーナの街にいる。
まぁいわゆるデートとかいうやつか。
Aは人混みが嫌いらしく、道行く人を蹴り飛ばしたそうな顔で見ている。
というか、俺が見ている限りもう2、3回実行していたが。
正直言ってこのままじゃ逸れてしまう。
「おい、A。一回ここから抜けるぞ」
俺たちは一回大通りから外れた。
「こんなに人が多いなんて聞いてねぇぞ。巨人の群れに突っ込まれる方がまだマシだ」
Aが人々を睨みつけながら言った。
そんなに嫌なのか。
「大通りから外れればそうでもねぇだろ」
俺たちは店を見ながらブラブラしていた。
Aが前に髪を束ねるものが欲しいと言っていたのを思い出し、Aが本を見ている間にこっそり買ってきた。
「A、こっち来い」
俺はAの背後に回って腰まで伸びる髪を束ねた。
いつものおろしているのもいいが、ポニーテールもなかなかだ。
Aは鏡を見て目を見開いた。
「これ、お前が買ってくれたのか？」
Aは髪飾りをいじりながら言う。
シンプルだが、それがAに合っている。
「あぁ。前に欲しいと言っていただろ？」
俺が言うとAは俺の�にキスして言った。
「ありがとな。私もお礼になんか買わねぇとな」
俺たちはまた歩き出した。
途中で昼食を取ってまたしばらくぶらぶらしていた。
俺が紅茶を見ているとAがここにいろと言ってどこかに行った。
何しに行ったんだ？
しばらくしてAが紙袋を持って帰ってきた。
「さっきのお礼だ。いわゆるペアリングってやつだ」
Aは袋から銀色の指輪を取り出した。
そして跪いて俺の右手を取り、薬指に指輪をはめた。
そして手の甲にキスをする。
男は俺なんだが…
「おい、お前は女だろ。そういうのは男がやるもんじゃねぇのか？それにこんなところでよくやるな」
俺は顔が赤いだろう。
Aはニヤリと笑った。
「お前、そういうのこだわるタイプだったのか？」
俺はちょっと意地を張りたくなった。
俺はAに同じことをしてみせた。
Aは満足そうに微笑した。
Aもこういうことに憧れたりするのか。
可愛いところあるな。
「左手の薬指は…空けておけよ」
俺はボソッと言った。
Aにははっきり聞こえていたようだ。
しばらくして顔が赤くなっている。
「それじゃ…プロポーズじゃねぇか…」
Aは恥ずかしそうに言った。
可愛いな…
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作者名：カシオペア | 作成日時：2017年7月9日 8時
