不器用な恋 1 リヴァイ兵長夢 (ページ39)

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強がりページ39

リヴァイside

俺はAを建物内に入れた。

「急に何しやがる！」

Aは俺の手を解いて言った。

「エレンから聞いた。お前、本当は寂しいんだろ？強がってるだけじゃねぇのか？」

俺はAの目を覗き込んだ。

Aはフッと目をそらした。

その目には涙が浮かんでいた。

「俺の前だけでも我慢するな。俺はいつでもお前の味方だ」

俺がそう言うとAはわずかに笑った。

「お前が優しいと調子狂うな…」

その言い方は弱々しかった。

Aはそんなに冷めてない。

そう思い込んでしまう状況に置かれてただけかもしれない。

「強がってばかりだと大変だぞ。たまには弱い時もあっていいんじゃないか？」

俺は言った。

Aの�に涙が伝う。

「私は強くいることを強いられたからそうしただけだ。そうやって生きてきたんだ。それを今更どうやって変えろと言うんだ？」

Aは半ば吐き捨てるように言った。

一体どんな状況で育ってきたんだ？

今はそんな事はいい。

「俺の前だけでも素直になれ」

俺はAの頭に手を置いた。

Aはフッと笑った。

「あいにく私はそんなに器用な人間じゃねぇがな。私は不器用だ。バカだ。だからこんな風になっちまったんだ。自分のせいだよな…」

Aは俯いた。

床に涙が落ちる。

俺はAを抱きしめた。

背中をさすってやる。

前にもこんなことがあったな…

俺たちはしばらくそうしていた。

見られているとも知らずに。