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弐拾捌話 ページ33
麗side【過去編】
『ウッ…ウッ…痛い…痛いよぉ…』
昔の私はとても泣き虫だった
私が４歳の時に私を攫った男は大の子供嫌いだった
それにも関わらず私を誘拐したのは、何かと高値で売れるからだろう
私が遊郭に売られる８歳まで、私は男と一緒に住んでいた
そして毎日のように暴力を振られ…時には嫌がる私と無理やり性行為をやらされる日もあった
その度に私は泣いていた
だけどそれがうるさかったのか私が泣く度に男が殴る
その痛さでもっと泣く。そしてまた殴られる…
その繰り返し…
そんな生活を送っていたら、ある日思った。なぜ私は泣いているのだろうか…と。
泣いて何かが得られるのだろうか…
殴られるだけだ…
そう思い始めてからは…感情を素直に表現できなくなった
そして相手の望んでいる感情になるようになった
笑えと言われたら直ぐに笑える
そんなことをしながら生きていたら…自分の感情というものがよく分からなくなり…
後に自分の感情というものはもう無くなった
そしてこう思うようになった
感情など…不要なものだと…
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作者名：サンカヨウ | 作成日時：2021年6月26日 2時
