ファーストライブ・プレモニション ページ5
それから、何日か病室で過ごした。
時折ワルキューレのメンバーがお見舞いに来て、マステラの話し相手になってくれた。
カナ「調子はどう?マステラ」
マス「はい、もうだいぶ元気に…体の痛みも無いです」
カナ「そう、よかった!」
カナ「…あのね、今日来たのは理由があって…」
マス「?」
カナ「美雲!」
そう言うと、ドアが開かれ、紫色の美しい長髪が揺れる。
マス「……!!美雲…さん……!」
マステラは驚いた。それはそうと、今まで来てくれたワルキューレの人達の中に、美雲は居なかったからだ。
美雲はワルキューレの中でも抜群の歌唱力を持つと同時に、抜群の個性も持っている。プライベートは一切謎、普段は何をしているのか分からないという。
そんな彼女が来る事は無いか、とも思っていた。
マス「ど、どうして…」
美雲「どうして今更来たのかって?」
マス「え、いや!そんな訳では…!!」
美雲「フフ、冗談よ」
彼女の冗談は正直精神に来る所がある。
美雲「あなたの調子が良くなってきたと聞いたから」
マス「…は、はい。もうすっかり…」
美雲「そう、良かったわね」
美雲「こんな所で倒れられては、ワルキューレとして歌えるはずないもの」
マス「…!」
その言葉にマステラは緊張を覚えた。
マステラは、確かにワルキューレの一員として迎え入れられた。だが勿論、そこで終わりではない。
この銀河に蔓延するヴァールから人々を守り、全ての人に未来を届けなければならない。
こんな事、普通の人間には出来ない。歌の力は勿論、戦場に飛び込める覚悟、そして挫けない強さが必要だ。
1度歌っただけで倒れるような人間にできることでは無い。
マス「……はい、勿論」
マス「私は…ワルキューレとして歌いたいですから。」
美雲「そう…そう。」
美雲「じゃあ行くわね。お大事に」
美雲はあっさりと病室から立ち去ってしまった。
カナ「あら…ごめんなさい、美雲もきっと、あなたの事をちゃんと心配していたと思うわ」
マス「はい、きっと…そうですね。ありがとうございます」
マステラはドアの方を見て微笑んだ。
カナ「あとね、もう1つ伝えたい事があって…」
マス「?何でしょう」
カナ「今度、ランドールのステージでワクチンライブをしようと思うの。」
カナ「今度のワクチンライブは一味違うわよ、なんてったって新メンバーもいるんですもの!」
マス「……そ、れはつまり……」
カナ「ええ!」
カナ「あなたとフレイア。2人のファーストライブよ!」
ラッキーアイテム
革ベルト
57人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ちゃまろ。 | 作成日時:2020年3月11日 0時