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「馬鹿なこと言ってないの。涼介くるから、上着きてて」

伊野ちゃんはそれだけ言って財布を持つとそのまま個室から出て行った

…馬鹿なこと、かなぁ

伊野ちゃん、優しいし、まぁちょっと変態だけど、頭もいいし…

………それでも伊野ちゃんを好きにならなかったのは圭人が俺にはそれ以上に魅力的に見えたからだ。

「もう、わかれたようなもんなんだから、おもいだすな…俺のバカぁ…」

ぐじゃぐしゃっと髪を乱すと先ほどの伊野ちゃんの言葉を思い出してそろそろと上着を掴み、着てから個室の扉から顔を出す。

………あ、山田だ

ちょうど山田が来てばっかりなのか伊野ちゃんは少し嬉しそうにしながら手招きして俺のいる個室に山田を連れてきた。

「あ、大ちゃんちゃんと上着てるね。涼介きたから、帰るよ?」

伊野ちゃんは山田が来たのが嬉しいのかにこにこと笑みを浮かべていて俺の手を掴むと無理やり立たせた。

「涼介ー、大ちゃん重いから半分こ」

「……重いって言うなよ、ばか」

最近太ってきたの、きにしてるのに
俺が口をとがらせて言うと山田は笑って「大ちゃんは重いよ」と言いながら俺の手を肩にまわして二人がかりで山田の車まで連れて行かされた。

「大ちゃん、圭人に振られたんだって?」

よいしょ、っと声を出し俺を後頭部席に下ろしたら山田が不意にそう声をかけてきた。

…こいつ、俺に気を使うことをしらないのか

「振られてないし…俺から言ったんだし…ていうか、別れてないし」

「…ふーん、距離置く、で話まとまったんだっけ?でもさ、明後日二人ともいたじゃんのロケじゃん。大丈夫なの?」

山田の言葉に伊野ちゃんはふぇ?と声を出した。
…そうか、伊野ちゃんはしらないのか

「え、大ちゃんまじ?大丈夫なの?」

本気で心配しているのか眉を下げ、
じっと俺を見つめてくる伊野ちゃん。

「……大丈夫だし。薮くんもいるから」

そう、いたじゃんのロケは最低でも3人はいる。
最初聞いた時は2人がいい、なんて、思っていたけど、今ほど3人目の存在を有りがたいと思ったことはそうそうない。

「薮、ちゃんと気遣ってくれると思うし、大丈夫か…」

ほっと胸をおろし安堵の表情を浮かべる伊野ちゃんは俺を見て微笑み、頭を撫でてきた。

なにか言うのかと思ったけど何も言葉を発することなく、ただ無言で撫で続ける。
山田はそれをじっとみていて、なんというか…
視線が痛い…

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さく(プロフ) - これ出来れば続き更新してほしいです! (2019年5月5日 18時) (レス) id: 1e38e3c1b4 (このIDを非表示/違反報告)
かみなり(プロフ) - 続きすごい気になります!ゆっくりで良いので更新頑張ってください!! (2017年8月25日 14時) (レス) id: a310455789 (このIDを非表示/違反報告)
柚香(プロフ) - こむぎさん» ありがとうございます!(´:ω:`)亀更新ですががんばります! (2016年8月23日 22時) (レス) id: 20ac521a70 (このIDを非表示/違反報告)
こむぎ(プロフ) - この2人、気になってました!更新、がんばってください。 (2016年8月22日 0時) (レス) id: 8b9923a19f (このIDを非表示/違反報告)
柚香(プロフ) - 飴斗湧璃@ぷよぷよミリアサガチ勢さん» 外し忘れです!すみません、ご指摘ありがとうございます (2016年8月21日 23時) (レス) id: 20ac521a70 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:柚香 | 作成日時:2016年8月21日 18時

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