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arside
「………大ちゃん、のみ過ぎだよ」
ぼーっとしてきた頭にすっと入ってきたのは、
心配そうな伊野ちゃんの声。
「…うっさい…酔い潰れたら連れて帰って…」
テーブルに顔を突っ伏しほっぺをつけると冷たくて気持ちいい…
このまま、寝ようかな
「…もう!自分で言うってきめたんでしょ!」
目をつぶろうとした俺に少し苛立った声を上げた伊野ちゃん。
「大ちゃんが自分で圭人と距離とるって言って、自分が怖気づいたときのために俺にきつく言ってって言ったのも大ちゃんじゃん。
なのに圭人に分かったって言われて、なにそんなに落ち込んでるのさ!」
いつも以上に饒舌な伊野ちゃんの言葉は、
ぐさぐさと俺に突き刺さる。
もうちょっと俺に優しくしてほしいんだけど…
「それに圭人にわかった、って言われた時は笑ってたくせに居酒屋きて酒入った途端ぴーぴー泣いて、迷惑なんですが」
っ…も、もうちょっと、…
「………俺に優しくしてよ…」
ため息とともに漏れた俺の本音に伊野ちゃんは呆れたように息を吐いた。
「自分で距離とるって決めたんでしょ?
覚悟決めてたんでしょ?
……それとも何?距離とるって言ったの、後悔してるの?」
少しだけ柔らかくなった声音だけど、
やっぱり俺の気持ちを突いてくるような言葉。
後悔、か…
「……別に、してない。」
ぼそっと呟いた声は伊野ちゃんに届いただろうか。
俺をじっと見つめてからすぐに目をそらしたからわからない。
半分ほど酒が入っているグラスに手をかけるも、ひょいっと伊野ちゃんにとられた。
「…本当にもう飲むのやめなよ。涼介呼んで大ちゃん家まで送るから」
そう当たり前のように言って携帯を取り出すと山田に電話をかけた。
すぐにでたのか俺のほうをちらちらとみながら電話をしていて3分話したか話してないかくらいで、電話を切った。
「30分したら来るってさ。大ちゃんは水飲んでな」
こてん、と首を傾げる姿はすこしだけ可愛いと感じた。
……これは多分、酒のせい。
「……ね、伊野ちゃん」
「…ん、なーに?大ちゃん」
不思議そうに俺を見る伊野ちゃんの目は先程とは違い、すごく優しい目をしてた。
「…俺、伊野ちゃん好きになればよかった」
酔っているからか、
こんなことを言ってしまうのは、
伊野ちゃんは「は?」と声を出すも俺を責めるようなことは言わずにただ頭を撫でた。
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さく(プロフ) - これ出来れば続き更新してほしいです! (2019年5月5日 18時) (レス) id: 1e38e3c1b4 (このIDを非表示/違反報告)
かみなり(プロフ) - 続きすごい気になります!ゆっくりで良いので更新頑張ってください!! (2017年8月25日 14時) (レス) id: a310455789 (このIDを非表示/違反報告)
柚香(プロフ) - こむぎさん» ありがとうございます!(´:ω:`)亀更新ですががんばります! (2016年8月23日 22時) (レス) id: 20ac521a70 (このIDを非表示/違反報告)
こむぎ(プロフ) - この2人、気になってました!更新、がんばってください。 (2016年8月22日 0時) (レス) id: 8b9923a19f (このIDを非表示/違反報告)
柚香(プロフ) - 飴斗湧璃@ぷよぷよミリアサガチ勢さん» 外し忘れです!すみません、ご指摘ありがとうございます (2016年8月21日 23時) (レス) id: 20ac521a70 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柚香 | 作成日時:2016年8月21日 18時