自己中だね、ごめん〈arkt〉 (ページ7)

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そんな二人を見ていたら、とてとてと大ちゃんが俺のところまで来た。
…どうしたんだろ？

きょとん、とした顔で大ちゃんをみると、
大ちゃんが口を開いた。

「……圭人は？圭人は、嫉妬してない？」

「………へ？」

思いがけない言葉にぽかん、と口を開けた。
し、嫉妬……？

「…してないよな。別に、いいけど」

俺が頭で理解する前に大ちゃんは拗ねたようにぶつぶつと言うと、光くんのところに行ってしまった。

「あー…圭人、大ちゃん怒らせた」

俺と大ちゃんの様子を見て後ろでけらけらとわらう伊野ちゃん。
そんな伊野ちゃんをみて山ちゃんは呆れたようにため息を漏らしていた。

「圭人が悪いってわけじゃないけど…、
大ちゃんの機嫌をとるためにも謝ってきたら？」

山ちゃんの言葉にちらりと大ちゃんの方を見ると、大ちゃんの周りに不穏な空気が漂っているのがわかる。

…ちょっとしたことで、拗ねるんだな…

今までこんな事がなかったからどう謝ればいいのかわからない

嫉妬しなくてごめんね？
いや、これは確実にだめだ…
…でもこれ以上大ちゃんに嘘をつきたくはない

…………だめだ。

考えても何も思いつかない…

頭を抱えて考えているとばんっ！と大きな音が聞こえた。

びっくりして音をした方をみると、
どうやら大ちゃんが楽屋から出て行ったらしい。

他のメンバーも驚いたのか同じ方向を見ては、どうしたんだろって声が飛ぶ。

……え？？

え、もしかして、俺のせい？

「大ちゃん！」

俺よりも先に声を上げて楽屋から出て行ったのは伊野ちゃんだった。
いつも適当なことを言ってる彼だけど、
友達のことを大切にしているからかすぐに行動に出た。
　
お、俺も、いかなくちゃ…

伊野ちゃんの後を追うように楽屋からのでた。
けど、ここは広いから探すのに時間がかかりそう…

伊野ちゃんすら見失った俺は、
大ちゃんがどこに行きそうかもわからずに探すことにした。

「だいちゃーん！」

大きな声で名前を呼ぶとすれ違う人に見られるけど、恥ずかしいとかそういう感情はなかった。

うまくやらないと、

また、

なにか大事なものを失ってしまう気がする。

どれだけ探しても見当たらなくて、
焦りが出始めたときに彼は現れた。

「けい、と…？」

声のする方を見ると、目を真っ赤に腫らした大ちゃんがいた。
その隣には、伊野ちゃん。
伊野ちゃんは少し怒ったような顔をして、
俺を見てきた。