自己中だね、ごめん〈arkt〉 (ページ4)

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今日はみんなで雑誌の撮影。

朝早く起きたからいつもより早めに用意して、
いつもより早めに仕事場にいった。

…まだ誰もいないかな

そんな思いを持ちながらドアノブを掴み、
中に入ると

「………あ、知念？」

そこにはいつもより早めにきた知念がいた。
知念はいつもより早めにきた俺に少しびっくりした顔をしたけど、すぐににこっとわらって「おはよう」と言った。

「おはよう、ちぃちゃん。なんかいつもよりはやいね？」

「それは圭人もじゃん。次はひかがくるかなーっておもってた。」

知念の隣に座ると用意されていたペットボトルを俺に渡してくれた。

「…最近、大貴と、どう？」

俺の目をじっと見つめながら聞いてきた
………知念もか

「どうも何も、ないよ。普通かな」

にこっと笑って答えると知念は眉間に皺を寄せて俺の頬を引っ張ってきた。
思いっきり

「っ…いたい、知念っ…いたいよ」

知念の手を離そうとしたら、その前に知念の口が動いた。

「…涼介のことはまだすき？」

その言葉を聞いた瞬間、俺の思考が停止した。
…なんで今そんなこと聞くの…

初めて山ちゃんへの感情を自覚した俺は、
知念に相談した。
でもそれは本当にずっと前の話で、最近聞かれることもなかったから忘れたと思ってた、けど

…忘れるわけ無いか、普通の恋でもないし

「ねぇ、圭人、好きなんでしょ？涼介のこと」

いつの間にか知念は手を離し真っ直ぐ俺をみてきた。
俺の心を見透かすようなその目は、好きじゃない

「………好きじゃない、よ」

やっとで振り絞った俺の声はどうにか知念に届いたみたい。
だって、俺の言葉を聞いた途端強気な彼が一瞬くしゃっと顔を歪めたから。

「…大貴が可哀相。圭人のこと、本気で好きなのに。圭人の身勝手な気持ちで振り回されて、嫉妬して、自分責めて。そのことに気付いてるでしょ？」

知念が一体、何を知っているの
なんでそんな責められなくちゃいけないの
俺かって悩んでるのに

なんで、

なんで

「知念は雄也がいるからいいよね。俺には頼る人なんていないから、何が正しいとかわかんないや」

嫌味を精一杯込めた言い方。
言ったあとに後悔した。
知念の顔をみたらひどく辛そうな表情を浮かべていたから

…ちがう、ちがう

大切な友達を失いたいわけじゃない

「…圭人、あの…」

「ごめん、知念。俺、ちょっと、外の空気吸ってくる」

何か言おうとしたのを自分で阻止して、
楽屋から逃げ出した。

何をしてるんだ、俺は、