夜空を紡ぐふたり

青い呼び鈴 ページ18

O「久しぶり〜ちょっと待ってて…」

つなぎ姿で智が作業中の品物を棚へ移す。

S「智君、この油の臭いよくガマンできるね」

翔がパタパタと窓を開けて回る。

一階の作業場は、塗料の匂いが充満している。

O「ま、仕事だからね。慣れちゃえば」

棚の上にはトマト、レタス、キュウリ…鮮やかな色に塗られたそれらが整然と並ぶ。






智は野菜職人。

一階で作業をして、二階を住居にしている。

M「ちゃんとベッドで寝なよ。忙しいの？」

潤が苦笑しながら作業場の隅のソファの毛布を寄せて腰かける。

O「うーん、この時期は町田ん所にヘルプ行ってるから。」

S「イチゴ！？食べ放題？」

O「翔君、お仕事だからね(笑)ちょっとは貰えるけど。もう少ししたら、おいらん所のプチトマト手伝ってもらうし。」

M「へぇプチトマトね〜」

O「なんか知らないけど、この時期って急に女子が張り切って弁当とか作り出すからさ〜おかずをごまかすのにおいらのプチトマト使うのはやめてほしんだけど」

S「ふーん。女子って不思議な生き物だよね。あっ智君、お昼サンドイッチしよ！潤がねサンドイッチ占いしてくれるって」

O「マジ？雅紀ん所行く？」

M「先にニノん所寄る。卵とハムは持って来た」

バスケットを潤が指さすと

O「じゃあ…トマトとキュウリとレタスに、翔君イチゴ食べたい？ちょっともらったのあるけど」

棚の野菜達の乾き具合いを確かめながら、まだ窓をパタパタしている翔に言う。

S「食べたい！」

M「翔？おねだりダメだよ」

たしなめるように言う潤に、

O「いいのいいの！美味しそうに食べてくれるの笑顔がオイラ達の幸せだからさ。」

大きなザルに野菜を詰めて

三人は隣りのバオバブハウスへ向かう。


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