夜空を紡ぐふたり

緑の星 ページ13

「「「「「ルネッサ〜ンス！！！」」」」」

５人の青年達がビールで乾杯。

ここは居酒屋…といきたい所だが、彼らは気安くそういった場所に足を踏み入れられない。

なにしろこの５人、今をときめくスーパーアイドルグループだからだ。

今日はコンサートの地方公演。空港からホテルまでファンに追いかけまわされ

マネージャーからはとにかく外へ出ないように！とさんざん釘をさされている。

しかしそんな生活を10代から送っている彼らは貸切のホテルのワンフロアしか出歩けない不自由さよりも

ステージでファンから浴びる歓声の余韻、色鮮やかなスポットライトの前に立つ者にしかわからない独特の高揚感で満たされていた。

今日はこのホテルで一泊して、明日の飛行機で東京へ戻るという、彼らにしてはゆっくりのスケジュール。

さっそくメンバー全員で一室に集まり、差し入れの蟹を無造作に新聞紙の上でほじくり返しながら、ビールをガンガン空けていく。

A「りぃだぁ…俺、嵐で良かったよ〜」

酔いが回りだした相葉は、隣りのリーダーの肩にもたれて、そんな台詞を繰り返してはポロポロと涙をこぼす。

「うん。うん。」

リーダーも言葉すくなに相葉の頭を撫で、ニコニコ笑いながらビールを煽る。


「…完全に酔っぱらいだな。面倒くせえからさっさと相葉寝かそうぜ。」

「んも〜この人たち何年おんなじ台詞で泣いてんですかね。」

「つーかそろそろ俺の部屋で飲むの止めてくんねえ？」


口では悪態をつきながら、他の３人のメンバーは微笑んで蟹の残骸を片付けて、いつの間にかうとうとし始めた２人に毛布をかけてやる。


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