休日 ページ12
S「ナニコレ!まじハンパねぇ!」
小さな幌付きの軽トラックが峠を登りきると、助手席で眠そうだった翔が歓声をあげる。
M「あれが海。まだ寒いから中には入れないけどね。綺麗だろ?この色や光をようく覚えておきな。」
S「うん!」
大きな瞳をキラキラさせて、うわぁとかすげっとか小さな声で翔は呟き続ける。
いつも星を打ち上げる時に使う小さなトラックは何回か狭い山道をカーブしながらだんだん海辺に近づいていく。
S「ん?なんだろ?お魚の匂い?」
翔が窓の外に小さな鼻を突き出す。
M「あんまり顔を出したら危ないよ。これは潮の匂い。えっと…海の匂いだよ」
S「へえ〜お魚と海っておんなじ匂いなんだ」
M「そうだよ。お魚は海に住んでいるからね」
S「マジで!?」
魚屋でしか魚を見た事のない翔がますます瞳を丸くする。
M「そら、着いた。」
サイドブレーキを引くのもそこそこに翔が真っ白な砂浜に駆け出していく。
M「波が来るから気をつけて!!」
S「なぁに〜!?」
翔が満面の笑みで振り返った時には、チノパンの裾がびしょ濡れ(笑)
S「ワワッ!潤!ちょっとこの水どっから来るの?ちょっとこっちくんな!」
波打ち際で蹴るような仕草をする翔に
M「翔、波は止まらないよ!翔が濡れないように動かないと!」
そう叫んで、トラックの荷台からシートを広げ、バスケットと着替えの入ったトートバッグも取り出す。
バスケットからカメラを出して、海水に顔をしかめる翔や、春の穏やかな光を次々にファインダーにおさめていく。
しばらくそうした後にやっと遅い昼ご飯。
びしょ濡れの翔を着替えさせて、温かい珈琲を飲ませる。
S「おいし!海、面白いね!」
ニコニコと笑う翔とタマゴサンドをパクつく。
その後は二人で砂浜を散歩して貝殻を拾ったり少しウトウトしたり。
目が覚めると夕陽が薔薇色に空と海を染めていた。
S「わぁ…海って色んな色になるんだね。お空と一緒だね、潤!」
ぽっかり口を開けて見とれる翔に
M「海は空の鏡だからね。また家に帰ったら色々教えてあげるね」
そう微笑むと
S「うん!翔、いっぱい聞きたい!」
目を輝かせる。星職人の勉強にもなるし、いつもの小さな実験室から飛び出して俺も息抜きになった。
M「…またお出かけしような」
俺にもたれかかって寝息をたてる翔の髪をくしゃりと撫でた。
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*はな*(プロフ) - 今夜も梅雨の夜空……星も月も見えません…。こんな夜、星職人さん達は何をしているんでしょうね…。「は−し−ら−な−い−。」とか言われてるのかな。(^^)かわいい見習い職人さんにまた会いたくて、お話を読みに参りました。 (2014年6月27日 23時) (携帯から) (レス) id: 2a82fe1f9f (このIDを非表示/違反報告)
ゆみ(プロフ) - *はな*さん» そうですね。なんだかんだで見守るニノや丸太の上で固まる翔ちゃん…楽しく想像していただけたらいいな。 (2014年6月25日 20時) (レス) id: 9679011bf3 (このIDを非表示/違反報告)
*はな*(プロフ) - 嵐さんて、ひとりひとりの特徴がはっきりしているので、お話の中の登場人物の表情も思い浮かべやすいですよね。…今日は、相葉さん率高めでお話がより賑やかに♪楽しく読ませていただきました。 (2014年6月25日 20時) (携帯から) (レス) id: 2a82fe1f9f (このIDを非表示/違反報告)
ryou(プロフ) - ゆみさん» 確かにあれはキュートですね♪相葉ちゃんらしさ全開で見るとほっこりしますよね。まるでゆみさんの作品のようですねー(≧▽≦) (2014年6月25日 20時) (レス) id: fca6f438ad (このIDを非表示/違反報告)
ゆみ(プロフ) - ryouさん» 相葉ちゃんのミスドCMがキュートすぎて書いちゃいました~ (2014年6月25日 20時) (レス) id: afc9116f09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆみ
作成日時:2014年2月1日 17時