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「それは違うの…なんて言っても智くんからしたらただの言い訳だけど…でも聞いて…」
目を覚ますことのないその人の代わりに弁明してあげられるのは俺だけだから
「病気だったんだ…若年性健忘症…どんどん身近な記憶が無くなっていく病気、ねぇ覚えてる?智くんにさ、翔さんがいつも言ってたこと…」
『いつ1人で生きていく事になっても生きられるようにしないとね!』
「そんな翔さんにさ、いつまでも翔ちゃんと一緒にいるから平気だよって答えてた、ふふ、翔さんの記憶を通して見ちゃった。でもその時には翔さん分かってたんだ、自分がこの愛おしい子の事も忘れちゃうんだって事」
だから掃除も、料理も、必死に教えた、お金もなるべく残していけるように必死に働いて、全然智くんとの時間も取れなくて
「そしていよいよその時が来た、智くんの事を忘れちゃった翔さんは、ご飯まだ?って催促してくる智くんを叩いちゃった、その時にハッと思い出したんだ、それと同時に自責の念が襲って、病気のせいには出来なかったんだ、大事な息子を叩いちゃった事実を…」
それから大家の二宮さんに智くんの事を全てお願いして、もう傷つけないようにと智くんの元を離れたんだ
「それが智くんの心に傷を作っちゃった事、母親から愛されなかっだ自分は恋を出来ないと決め込んで、誰とも恋ができなかったことも、俺を通して一緒に生活してくうちに気づいて…ずっと自分のこと責めてた…」
なんで記憶を失った俺に翔さんの意識が宿ったんだろう、俺の記憶が戻った時にまずそう思った、それで、翔さんを、智くんのお母さんを必死に探して、大家の二宮さんに話を聞いて、ようやくこの場所がわかった
薬のおかげで症状の進行は遅くなってきたものの、もう意識がある時間の方が少なくて、担当医の松本先生曰く…もうあと少しの命らしい…きっと翔さんの智くんを思う気持ちが俺を通して届いたんだ
「バカ…なんでだよ…俺言ったじゃんか…ずっと、いつまでも翔ちゃんのそばにいるって…どんな翔ちゃんでも良かったんだよ、なんで姿消したりするんだよ…」
.優しく翔さんの頭を撫でる智くんの手は優しくて、ゆっくり翔さんの目が開いていく…
「さとし…くん?」
震える声があのイントネーションで、名前を呼ぶ、お医者さんによると記憶を戻ることも少なくなってたっていうのに…奇跡が起きたんだよ…
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大翔(プロフ) - きよさん» リスの翔ちゃん自分でもどこで書いたか忘れてた作品だったんで笑笑覚えててくださって本当に嬉しいです!今でも2人とも幸せに暮らしてるそうですねー!また思い出したら書くのでこれからもよろしくお願いします! (2021年1月22日 0時) (レス) id: 52be1d4475 (このIDを非表示/違反報告)
きよ(プロフ) - 子リスの翔ちゃん、智くんと無事に暮らしていたんですね。良かった(^-^)/ 酔ったとはいえ智くんを振り回す強者!大人の翔ちゃんはどんなでしょうか続編楽しみにしています。 (2021年1月21日 13時) (レス) id: ae2dee5c90 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:大翔 | 作者ホームページ:
作成日時:2019年10月6日 22時