Love of Disguise3

romantic party starters ページ44

「あれ？ここどこ？…船の上？あ、智くんの新しいCMと同じところだ！」




ボケーっと周りを見回してたら智くんに名前を呼ばれる



「ほら、花火、綺麗でしょ？翔ちゃんのために打ち上げたんだ」





腰に回された腕が優しくて、思わず智くんの肩に手を乗せて惚けちゃう




そのまま引き寄せられて、頭を撫でながら深い方のキスを……息が止まるほど苦しいそれに焦って、気持ち良くて閉じてた目をパッと開けると





「っ……夢っ！？俺乙女かよ！恥ず！」





最近解禁されたスマホのCMで、俳優の翔さんとイチャイチャしてるとこを観ちゃったからか、智くんとの会話で度々上がるプロポーズの話のせいか、まさか20歳男性がこんな夢を見るとは




「何が恥ずかしーの？うー………おはよぉ…」




寝起き苦しかったのは智くんが思いっきり抱きしめてたからか、てか聞かれてた、恥ずかしい！





2度寝し始めた智くんの胸に顔を擦り付けながら考える、俺たちの場合の結婚ってどう言う形なんだろう、そこをゴールにしちゃったら後は？関係性はどう変わるの？





ダメだなぁ、色々考えて、ニヤニヤしちゃうほどには幸せなんだけど、それと同時にイレギュラーな形である俺達の愛に対する不安は積もって






「うん？どーした？怖い夢でも見たか？」





そんな不安をすぐに見つけ出して溶かしてくれるの、この人は本当にすごい。





「ううん、幸せな夢、幸せすぎて泣いちゃうの、それだけよ」





ニコッと笑い返してくれる貴方が居るから、不安だっていつもすぐ消えてっちゃう。だからねぇ、どれだけの不安を乗り越えたって私は貴方と家族になりたいと思ってるよ？






もしも貴方も同じ気持ちだったら幸せだなーって、そんな事を思いながら眠りにつく、ちょっぴりお寝坊さんな日曜日の昼下がり

………………………



『夢ですかー？あー、そういえば翔ちゃんが、船上でデートする夢見ちゃって、めっちゃ恥ずかしかったって言ってましたよ！それくらいしか聞いて無いですよー』





ふふふ、この前の酔っ払い事件の時に翔ちゃんの親友くんとLINEを交換しておいて正解だった。なるほど、CMのやつみたいな夢か？






「しょーちゃんロマンチストだからなー、あぁいうところでのプロポーズが良いんか、ふふ、可愛いっ…」






さっきから俺の胸に抱きついてイビキをかいてるお寝坊さんの額にキスをして、これからの俺たちの形について考えを巡らせた。

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