さくらこ’s 短編集 (ページ10)

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＊ページ10

和「高倉さんは？」

「え？」

和「こんなとこで何してんの？」

私と同じ質問をして、ふふ、と笑う。

「わ、私は…」

しょうがなく来た、って意味では二宮さんと一緒だけど、新人がそんな図々しいこと言えな…

和「なに、俺と同じ感じ？めんどくさくて逃げてきた？」

「えっ…いや、ちが…くはないですけど、あの」

和「違くないんだ笑」

「いやあの、めんどくさいわけじゃなくて、その…人混みが苦手で…」

和「ふーん」

「あと、私人見知りなんでこういう集まりとかも苦手で…ちょっと疲れちゃったというか…」

和「そんで逃げてきたのね」

「まぁ…はい」

あぁ言っちゃった…

嫌な後輩だって思われたかも…

和「ほんとなんで人間って人混みが好きなんだろうね」

呆れたように呟いた二宮さん。

「え？」

和「俺も人混み嫌いだし、上辺だけの宴会も嫌い」

「え…二宮さんが？」

和「意外？」

「はい…だって二宮さん、誰とでもすぐ仲良くなれて、いつも楽しそうにお話しされてますよね」

和「会社ではそうかもね。でも友達と呼べる人は数人しかいないし、むしろ数人で十分だと思ってるよ。基本、一人が好きだし」

淡々と喋る二宮さんに、あっけに取られる。

うそ。

私の持ってたイメージと間逆なんだけど。

程遠い人だと思ってたのに、今こんなにも親近感が湧いてる。