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思わぬ人の姿に、つい声がこぼれてしまった。
そんな私の声に反応して、こっちに視線を向けて私を捉えると。
和「あ…高倉さん」
大して驚きもせず私の名前を呟いた。
二宮さん。
え、なんでここにいるの。
「どうも…」
気づいてしまった以上無視するわけにもいかず、近寄るけどどうしたらいいかわからない。
和「ここ、座ったら？」
戸惑う私の様子に気づいたのか、二宮さんは隣の空いたスペースを指差してそう言った。
「、失礼します…」
勧められたまま、そこに座る。
あれ…私、一人落ち着いて花火見ようとしたはずなんだけど。
先輩と、しかも二宮さんとって…
何のために人混みから離れてこっち来たんだか…
けど隣に呼んだからといって、二宮さんは何を話すわけでもなくただ煙草を吸ってる。
ちらっと盗み見して見えた横顔は、鼻筋がすっと通っていてかっこいい。
やっぱり、私には程遠い人だよな…
なんて思ってたら、バチッと二宮さんと目が合ってしまった。
「っ、」
和「ん？」
「、いえ」
和「なに笑」
「いや、その…二宮さん、こんなとこで何してるんですか」
焦って聞き方が失礼だったかも…！
でも二宮さんは気にするそぶりを見せず。
携帯灰皿に煙草の吸殻を入れながら「別に特に何というほどのことはないけど」と言う。
「え…みんなのとこ戻らないんですか？」
和「そうね、めんどくさいし」
「…めんどくさい？」
和「ほんとは来るつもりなかったからね。去年来なかったから来いって言われて、しょうがなく来ただけだから」
「…」
あれ？
二宮さんって…こういう人、だっけ？
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作者名：さくらこ | 作成日時：2017年8月3日 23時
