＊ ページ8
花火大会当日。
友達と集合場所に行くと、思ったより多くの人数が集まっていた。
その中に二宮さんもいて。
浴衣は着てなかったけど、先輩と楽しそうに話してた。
場所取りしてあるところまで行く間、やっぱり人が多くて、早々に帰りたくなる。
花火は見たいけど、人混みは嫌いなんだよなぁ…
辿り着いたシートで、先輩たちはすぐに宴会を始めて、私もしょうがなくそれに加わる。
人混みの中で。
あまり話したことのない先輩たちの話に、作り笑顔で相槌を打つ。
仕事じゃないのに仕事してるみたい…
友達は別の先輩に捕まっちゃって、結局一緒にいないし。
限界が近づいてきた頃、花火が始まるアナウンスが流れた。
ドーン…！
大きな音とともに、綺麗な花火が打ち上がる。
次から次へと打ち上がる花火に、みんなが大きな歓声を上げる。
確かに花火は綺麗だけど、そんなはしゃいで楽しむ余裕、私にはもうないんですけど…
私は立ち上がってこっそりその場を離れた。
友達には後でLINEしとこ。
“先帰る”って。
でももう少し花火は見たい気もする。
じゃなきゃ何のためにここに来たの？ってなるよね。
歓声を上げながら夜空を見上げる人たちの間を抜けて、できるだけ人の少ない場所を探す。
「あ、ここいいかも…」
少し歩いて見つけたその場所には、人が数人いるだけで。
でも花火はよく見える、いわゆる穴場。
ここなら落ち着いて見れそう。
階段に座って見よう、と近づくと。
「…あれ、」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 37人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さくらこ | 作成日時：2017年8月3日 23時
