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＊ ページ23
智「おーおめでと！」
よかったよかった！と自分のことのように喜ぶ大野先生。
「、ありがとうございます」
智「まぁ高倉なら大丈夫だと思ってたけどね」
「きっと先生がくれた御守りのおかげです」
智「えぇ俺の？そう？」
「はい」
大野先生が窓を開ける。
すると、春の香りをのせた風がふわりと吹き抜けた。
「大野先生」
覚えてるかな。
約束のこと。
「聞いてくれますか、私のお願い」
そう言うと、振り返った大野先生とぱちんと目が合った。
智「…ふふ、うん。約束したもんね」
「、覚えててくれた」
智「もちろん覚えてるよ。ほら、何でも聞くから言ってみ」
微笑みながら私の前に立った大野先生。
どくんどくん、と心臓が音を立てる。
「…先生」
智「うん」
ぎゅっと力を込めた手がスカートにしわを付ける。
「私と、付き合ってください」
先生に届いたかも危ういほどの弱々しい声。
目なんて見れなくて、自分の足元をただ見つめる。
先生、何か答えて…
沈黙が怖くてそう願ってると、少しの間の後、先生が「…ふふ」と笑うのが聞こえた。
え？と思って顔を上げる。
「せん…」
智「いいよ」
「…っ」
智「付き合おっか」
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作者名：さくらこ | 作成日時：2017年8月3日 23時
