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＊ ページ20
有名な神社の名前が書かれた袋。
智「そ。初詣で行ってその時買ったの。高倉にあげる」
「え、私に」
智「うん、ここ受験の神様で有名でしょ？」
大野先生がニコッて笑う。
「え、なんで私に…あ、みんなにあげてるんですね、」
智「えぇみんなにあげないよ、そんな買えないもん」
「あ、みんなっていうか、元美術部員のみんな」
智「ううん、高倉にだけあげる」
「っ、…」
なんで、私にだけくれるの？
たまたま来たから？
たまたま来たのが私だったから？
智「高倉は引退してからもよくここに来てくれたじゃん」
「え、」
智「だから特別。贔屓ってやつ？あ、他の子には内緒ね」
とく、べつ。
「あ、ありがとうございます！」
智「ふふ、うん。ほんとはセンター前に渡したかったけど会えなかったから」
「あ…」
智「でも神様にお祈りはしてきたからちゃんと効いたみたいだね」
え。
初詣で、私のこと、お祈りしてきてくれたの？
大事な初詣で、自分の今年のことじゃなくて私のこと…
「っ、」
嬉しい。
嬉しいすぎる。
こんなの、嬉しいだけの気持ちじゃ抑えきれないよ。
「…先生、」
智「んー？」
グッと伸びをしながら窓の外に目を向ける大野先生。
「あの、…」
「っ、第一志望受かったら、私のお願い聞いてくれますか」
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作者名：さくらこ | 作成日時：2017年8月3日 23時
