さくらこ’s 短編集 (ページ14)

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「そうです…」

はぁ、とため息をついて、カバンの中のものをローテーブルに出して置いた。

潤「お前、ほんとに毎年毎年懲りねぇな笑」

「だって！終わんないもんは終わんないんだもん！」

潤「終わらせる努力をしなさい」

「してるもん…」

潤「ほんとに？」

「…」

してません。

心の中で呟く。

俯いた私を見て、潤くんは呆れたように笑った。

夏休みの宿題って、なんでこんなに多いんだろ…

毎年終わらなくて、夏休み最終日に潤くんに助けを求めてる。

なんだかんだ言いつつ、いつも手伝ってくれるから頼っちゃうんだよ。

「潤くんお願い、手伝ってください！」

潤「うーん」

「数学が山ほど残ってるの。潤くん得意でしょ？お願い！」

手伝ってくれなかったらほんとにやばいから、必死にお願いする。

潤「はいはい、分かったよ」

「ありがと！」

潤「でも基本は一人でやれ。分かんないとこは教えてやるから」

「うん…分かった」

きっといっぱい教えてもらうことになるな…

潤くん、ごめん。笑

.

「終わったぁ…！」

潤「よく頑張りました笑」

途中で何度も集中力が切れそうになる私に潤くんは喝を入れながら、分からないところを教えてくれて。

やっと全て終わった時には、もう外は暗くなっていた。

「あー疲れた。明日休みたい」

潤「おい。せっかくやったのに休むなよ笑」

机に突っ伏す私の頭を、ぽんと叩く。

「っ、冗談だって」

触れたのはほんの一瞬なのに、それだけで恥ずかしくなって、体を起こして距離をとる。

でも潤くんはそんな私に気づく様子もなく立ち上がった。