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「私、花火は好きなんですけど花火大会は嫌いなんですよね」
自然と口から言葉が出てくる。
和「一番厄介なやつじゃん笑」
「はい。だからいつも穴場探したり、友達のマンションに行って屋上から見たりしてるんです」
和「あ、そういや俺んちのベランダからこの花火見えんだよね」
「え、そうなんですか」
和「めっちゃよく見える。それ知ったらますます行きたくなくなったよね」
「はは、確かにそうですね」
なんか私。
今すごく楽しい。
花火を眺めながら、二宮さんと話してるこの状況をすごく楽しんでる。
「自分ちから見えるなんて羨ましい。私にとっては最高の条件ですよ」
和「じゃあ来年はうち来る？」
「、え？」
和「うちから一緒に花火見ようよ」
.
驚く私にふふっと笑った和くんに、なぜか家まで送ってもらっちゃって。
その後、会社でも話すようになって、ご飯も二人で行くようになって。
それで気づいたら付き合い始めてたんだよなぁ。
和「なににやけてんの」
「ひゃっ」
思い出にふけってた私の頬に、和くんが冷たい缶ビールを押し付けてきた。
「もうやめてよ」
文句を言いながらも「ありがとう」と受け取る。
「去年のこと思い出してたの」
和「ふーん」
「1年後にほんとに和くんちにいるなんて、あの時はまだ思ってなかったな」
和「俺も本気で言ったつもりはなかったんだけどね」
「え、そうなの」
和「気づいたら、ってやつ？」
そう言って、ぐいっと缶ビールを飲む。
和くんも私と同じか。
いつから好きになったとか、はっきりは分からない。
でも今こうして和くんと二人でいられる時間がすごく幸せ。
ドーン…！
「あっ、花火！」
不意に大きな音が聞こえて、見れば目の前の空に綺麗な花火が見えた。
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作者名：さくらこ | 作成日時：2017年8月3日 23時
