さくらこ’s 短編集 (ページ2)

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それから三年経った夏。

休みの日だというのに、会社の同期で飲み会を開くなんてほんとに仲良いよね。

私も別に嫌ではないけど。

けど。

雅紀「ねぇこの後二人で飲み直さない？」

ほら来た。

相葉くん。

「ごめん他の人誘ってあげて」

雅紀「またそれ？まだだめなの？」

「ごめんね」

謝ったら、相葉くんは「じゃあまた今度ね」と言って、しぶしぶ席を離れていった。

断るのは何度目だろうな。

相葉くんは、同期の飲み会の時に誘ってくることが多い。

優しくて仕事もできていい人なのは知ってるよ。

でもどうしてもまだ、次の恋に進むことができない。

何度も断るのが心苦しくもあるから、たまに飲み会に参加しないこともあるの。

今日は友達にしつこく言われたこともあって参加したんだけど、やっぱり行かなきゃよかったな…

「私そろそろ帰るね」

友達「え、もう帰っちゃうの。もうちょっといようよ」

「ごめん、疲れてるから」

友達「えー」

「今度の女子会は最後まで付き合うからさ」

友達「絶対だよ！」

「うん、じゃあね」

友達「ばいばーい」

みんなに手を振って、名残惜しそうな相葉くんを横目に見ながら店を出た。