君が教えてくれた恋。 3 (ページ10)

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「え…？」

和「翔さんも今きっと苦しんでるんだと思う。色々、考えてるんだと思う」

和「でも必ず教えてくれる時がくるはずだから。その時を待つしかないよ」

「二宮先生…」

和「そのために小林が今すべきことは、自分の気持ちをしっかり受けとめること。どんなに否定したって気持ちは変わることはないんだから」

「っ、はい、」

首を縦に思いきり振った私を見て、ふふ、って微笑む。

和「でもまさかそんなことになってるなんてなぁ」

なんで話してくんねぇんだよ、って少し悔しそうな二宮先生の声。

仲が良いからこそ言いづらいこともあるよね…

私だって、夏海に何も話せてない。

和「まぁとにかく、元気出して、あとちゃんと勉強もしなさいね？」

「、はい」

和「じゃ、俺もう行くから」

「はい、あの、ありがとうございましたっ」

和「うん、俺も教えてくれてありがとね」

さようなら、と言って去っていく猫背な後ろ姿を見つめて。

もう一度、ありがとうございました、って呟いた。

二宮先生は時々きついこと言うし、ズバズバ言い当ててくるけど、その中心には優しさがちゃんとある。

表には見えない優しさがつまってる。

「もう少し表に出してくれてもいいのにね」

ふふって思わず笑みがこぼれる。

でも、まさか先生が私の気持ちを肯定してくれるとは思わなかったな。

好きになってもいいんだ、って思えた。

櫻井先生が好きだっていう気持ち、もう否定したりしない。

だから櫻井先生。

櫻井先生の気持ち、私に教えてください。

待ってますから。