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「っ、」
私の最後の抵抗も、二宮先生の言葉であっさり崩れ落ちていく。
和「好きなんでしょ、翔さんのこと」
いつもより優しい口調でそんなこと聞くのは、ずるいよ。
和「小林」
「っ、きですよ…っ」
和「…」
「好きなんですっ、櫻井先生のこと、好きになっちゃったんです…っ」
ほんとはずっと前からどこかでこの気持ちに気づいてた。
でも認めたくなかった。
日に日に私の中で大きくなっていく櫻井先生の存在を、櫻井先生への気持ちを、肯定したらもう戻れないって思ったから。
まだ相葉くんに気持ちが残ってるなら後戻りできるって思った。
けどもう限界がきちゃったよ。
もう自分に嘘つけない。
櫻井先生が好き。
好きで好きでたまらないの。
和「ん、そっか」
二宮先生が優しく微笑む。
「…でも、二宮先生、」
和「ん？」
「私…」
「櫻井先生が、わからない…」
和「わからない？」
「なんで、キスなんてしたのか…抱きしめられたのだって、ほんとはなんでかわかってない…」
櫻井先生の言葉も表情も行動も。
どこか意味ありげで、いつも私を惑わせて。
いつも胸を苦しくさせる。
「森先生がいるのに、なんでそんなことしたのかわからない…先生が、櫻井先生が何を考えてるのか、全然わからない…」
初めて口にした思いに、いっそう心臓がズキッと痛むのを感じたら。
和「わかるのにはもう少し時間がかかるかもしれないね」
二宮先生がそう呟いた。
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作者名：さくらこ | 作成日時：2017年1月26日 20時
