君が教えてくれた恋。 3 (ページ45)

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日が暮れゆく海辺。

他に誰もいない砂浜。

先生と手を繋いで、何かこれといった話をするわけでもなく、その静かな時間をゆっくり味わう。

「きれい…」

時間が経つとともに水平線に沈んでいく夕日。

赤でもなくオレンジでもなく、それらが混ざり合って心の中がじんわり温かくなるような色をしている。

翔「これだよ、俺がAと見たかった景色」

「え…」

隣を見ると、穏やかな表情で夕日を眺めてる櫻井先生。

翔「ドライブデートとか人が少ない場所とか色々調べてる時に見つけて。あ、Aと見たいなって思ってさ」

そうだったんだ。

翔「綺麗だな」

「はい」

翔「俺、今すげぇ幸せだわ」

「私も幸せです」

そう答えると、繋いでた手がすっと離れて。

え？と思うと同時に、背中に触れた体温と前に回された腕。

「、せんせ」

翔「しばらくこのままでいさせて」

「っ、はい」

先生の腕の中は温かくて。

耳にかかる吐息が私の鼓膜を震わす。

先生に包まれてる感覚がとてつもなく心地いい。

「先生…好きです」

どうしても伝えたくなって、先生の腕をきゅっと掴んでそう呟いた。

翔「…ん、俺も」

翔「好きだよ」

耳元で囁かれた声が身体中に浸透したら。

耳たぶにそっと柔らかい口づけが落とされた。