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サンドイッチを食べ終えた先生が、自販機で買った缶コーヒーをくいっと飲む。
「あの、先生」
渡すなら今かな。
翔「ん？」
「これ、約束の」
鞄から取り出して先生の方に差し出す。
翔「あ！クッキー？」
「はい、作ってきました」
翔「やった、嬉しい」
喜んで手に取る櫻井先生。
翔「今食べていい？」
「、はい、どうぞ」
失敗はしてないはずだけど、目の前で食べてもらうとなると緊張する。
どうかな。
一つつまんで口に入れた先生をじっと見つめる。
翔「ん、うま」
「、ほんとですか」
翔「うん、美味いよ」
二つ三つと食べ進める先生に嬉しくなって、自然と顔がほころぶ。
「よかった」
翔「やーほんと嬉しい。ありがとな」
「、いえ」
残りは後にとっとこう、と大事そうに鞄にしまってくれた。
お昼ご飯のあと、公園内を散策してると。
「え、すごい」
翔「ほんとだ。何の花だろ、あれ」
少し先に、辺り一面ピンク色の場所が目に入って。
近づいてみたら、それはコスモス畑だった。
「こんなたくさん咲いてるの初めて見ました」
翔「俺も。すげーな」
「めちゃくちゃ綺麗ですね」
薄いピンクや濃いピンク。
目の前に広がる鮮やかな景色に、二人して圧倒される。
すると、スマホを取り出して写真を撮ろうとする櫻井先生。
「あ、先生…コスモスをバックにして一緒に撮りませんか？」
翔「いいね！せっかくだし撮ろう」
はっと思いついて言っちゃったけど、先生と写真撮るの初めてだよね。
私に近づいてアングルを確認する櫻井先生にドキドキする。
翔「はいチーズ」
緊張で顔固まってたかも、大丈夫かな。
翔「お、いい感じに撮れた。ほら」
先生の手元を覗き込むとそこには、コスモス畑を背に笑顔の櫻井先生と、少し緊張気味に笑う私がいた。
「…はい、いい感じです」
あぁ。
私たちカップルなんだよね。
私、ちゃんと先生の彼女なんだよね。
並ぶ二人を初めて目にした私は、じわじわ湧いてくるその実感で胸がいっぱいになった。
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作者名：さくらこ | 作成日時：2017年1月26日 20時
