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ー今電話しても平気？
櫻井先生からそうLINEが来たのは、家に帰って夕飯を食べ終えてしばらくした時だった。
そろそろお風呂入ろうかな、と立ち上がりかけた体を椅子に戻して、「はい、大丈夫です」と送る。
するとすぐに既読がついて。
ブーブーブー…
「もしもし？」
翔「こんばんは」
「こんばんは、どうしたんですか」
翔「あのさぁ、色々考えてたんだけどさ」
「何をですか？」
翔「ほらどっか出掛けたいって言ってたじゃん」
「あ、はい、…え」
確かに言った。
でもちょっと我が儘だったなって反省したんだけど…
翔「ドライブくらいなら大丈夫かなって思って」
「えっ」
翔「近くとか人混みは危険だから、遠くまでドライブしてゆっくり過ごすっていう感じになるけど…」
聞き間違いじゃないよね？
まさかとは思ったけど、え、ほんと？
「先生、いいんですか？」
翔「うん、つーか…」
翔「俺が行きたい」
小さな声が耳の奥で響いた。
胸がとくんと跳ねる。
翔「Aとデートしたい」
「っ、せんせ…」
翔「だから人のいなさそうなとこ行こう。俺調べとくから」
「、はい」
人のいなさそうなとこなんて、あるかな。
難しそうだけど、そこは先生にお任せするしかないよね。
翔「中間終わった後の日曜とか空いてる？」
「はい、空いてます」
翔「じゃあそうしよう。あとは…ご両親は大丈夫かな」
「あーたぶん大丈夫ですよ」
翔「ほんと？誰とだけじゃなくて、遊びに行くことについても何か言われたりしないかな。受験生なわけだし」
「私それなりに成績いい方なので、そこまで親厳しくないんで大丈夫だと思います」
翔「はは、そっか笑 じゃあ中間も頑張ってね」
「はい、楽しみができたのでより頑張れそうです！」
翔「うん、俺もすごい楽しみ」
声だけなのに、先生が嬉しそうなのがひしひしと伝わってきて。
先生きっと今優しい顔で微笑んでるんだろうなって思ったら、胸がふわっと温かくなった。
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作者名：さくらこ | 作成日時：2017年1月26日 20時
